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発達障害

【発達障害とマルチタスクの関係】子どもの苦手を解決する秘訣とは?

【発達障害とマルチタスクの関係】子どもの苦手を解決する秘訣とは?

うちの子ども、マルチタスクが苦手な気がする…

子どもが何かをする際、一度に複数のことを処理することが難しいと感じたことはありませんか?

「なぜうちの子は、同時にいくつものことをこなせないのだろう?」という疑問は、多くの親御さんが抱える共通の悩みです。特に発達障害を持つ子どもたちは、マルチタスクに特有の苦手さを示すことがあります。しかし、その背景にはさまざまな理由があり、適切な理解とサポートが必要です。

この記事では、マルチタスクが苦手な子どもたちの日常と、その背後にある発達障害の特性について深く掘り下げます。また、家庭でできるサポート方法や、子どもたちが楽しみながら能力を向上させるための具体的なアプローチを紹介します。

へやすぽアシスト』では、運動を通じて子どもたちの運動能力はもちろん、学習能力や自己肯定感を高めるプログラムを提供しています。この記事を通じて、保護者の皆様に発達障害の基本的な知識を提供し、運動が「子どものマルチタスクの苦手さ」にどのように役立つかを理解していただきたいと思います。

この記事を読めばわかること

・マルチタスクが苦手な子どもの行動や特徴

・発達障害がマルチタスクに与える影響

・家庭でのサポート方法

・楽しい運動や活動を通じた改善方法

・『へやすぽアシスト』の運動療育プログラムについて

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そもそも発達障害とは

発達障害という言葉を耳にすることは多いですが、その具体的な意味や特徴を正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。発達障害は、脳の発達に関わる障害であり、学習、コミュニケーション、社会的相互作用、注意力などに影響を及ぼす可能性があります。これには、自閉症スペクトラム障害(ASD)注意欠陥・多動性障害(ADHD)学習障害(LD)などが含まれます。

発達障害の一般的な特徴

コミュニケーションの困難: 言葉の理解や使用、非言語的コミュニケーション(身振りや表情)に課題を持つことがあります。

社会的相互作用の問題: 他者との関係構築や社会的なルールの理解に苦労することがあります。

注意力の問題: 集中力が続かない、または特定のことに過度に集中する傾向があります。

学習上の障害: 読み書きや算数など、特定の学習分野で困難を抱えることがあります。

運動面での問題:姿勢が悪い、不器用、疲れやすいなど、運動面での困難も認めることがあります。

これらの特徴は個人差が大きく、すべての子どもに当てはまるわけではありません。しかし、これらの特徴を理解することは、発達障害を持つ子どもたちが日常生活で直面する課題を理解する上で重要です。

参照:発達障害って、なんだろう?-政府広報オンライン

マルチタスクと発達障害

発達障害を持つ子どもたちは、情報処理の遅さや注意力の問題により、マルチタスクに特有の困難を抱えることがあります。例えば、同時に複数の指示を処理することが難しい、または一度に複数の活動に集中することができない場合があります。これらの困難は、学校や家庭での日常生活に影響を及ぼす可能性があります。発達障害を持つ子どもたちがマルチタスクに苦手意識を持つ背景には、以下のようないくつかの特徴が関連しています。

脳の構造と機能の違い

発達障害の子どもたちの脳は、一般的な発達を遂げる子どもたちの脳とは異なる方法で機能することがあります。特に、前頭葉を含む脳の特定の領域が、注意力、記憶、情報処理速度などに影響を及ぼすことが知られています。前頭葉は、計画立案、意思決定、行動調整などの高次脳機能を司り、これらの機能の違いは、複数のタスクを同時に処理する能力に影響を及ぼし、マルチタスクに対する苦手意識の一因となります。

情報処理や注意力の問題

発達障害を持つ子どもたちは、情報を処理する速度が遅いことがあります。これは、脳が情報を受け取り、解釈し、反応するプロセスにおいて、遅延が生じるためです。さらにADHDの子どもは、注意力に問題を抱えることがあり、これがマルチタスクの苦手意識に影響しているのです。

ある研究(※1)によると、学習障害を持つ子どもたちは、計画立案や問題解決などを担う脳の前頭葉と頭頂葉の機能が通常の子どもたちと比べて弱い傾向がありました。これは、学習障害の子どもたちが情報を処理し、新しいことを学ぶ際に苦労する一因となっている可能性があります。

(※1)A study on cognitive-executive functions of frontal-parietal lobes in students with specific learning disorders and normal students-M. Kutlubaev, A. I. Ozerova, V. Mendelevich

日常生活での困りごと

発達障害を持つ子どもたちがマルチタスクに苦手意識を持つことが、日常生活でさまざまな困りごとを引き起こします。

学校での課題

・教師の話を聞きながらノートを取ることが難しい

・授業中の複数の活動への切り替えに苦労する

・授業の進行についていくのが困難

・グループ作業での役割分担や協力が難しい

・体育の授業で複数の動作を同時にこなすことが苦手

・実験や工作など、手順を複数覚えることが難しい

家庭での日常生活

・朝の準備で着替え、朝食、歯磨きなどの同時進行が難しい

・宿題やゲームなどを自己管理することが困難

・親からの複数の指示に対応することが遅れる

・食事の準備や食後の片付けを同時に進めることが難しい

・複数の家庭内ルールを同時に守ることが難しい

友達関係

・会話中に複数の情報を処理することが難しい

・友達とのコミュニケーションや集団活動で孤立感を感じることがある

・複数の人との会話や活動に参加することがストレス

・遊びでのルールを覚えることが難しい

・複数の友達との関係を維持することが難しい

・集団での運動やゲームでの役割を理解することが難しい

 

その他にも、発達障害のそれぞれ(ADHDや学習障害など)に特徴的な困難さも認めています。それぞれの日常生活での苦労を知りたい方はこちら。

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「ADHDの子どもの、手先の不器用さを改善する方法」
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誰でもできる運動でマルチタスクの苦手さを改善しよう!

これまで、発達障害の基礎知識やマルチタスクとの関係性などをお伝えしましたが、ここではマルチタスクの苦手さを実際に改善する方法を紹介します。以下の運動は実際に『へやすぽアシスト』でも行っている運動です。ご自宅でも楽しみながらできる運動ですので、ぜひ親子でチャレンジしてみてください!

親子で風船ポンポン(1個)

①親子で向かい合って風船ポンポン!
②相手が届きやすい位置に向かってやってみよう!
③何回出来るかチャレンジ♪

この遊びは風船を使うことで、目のコントロールや力加減の調整などを鍛えられます。1つの風船をポンポンするだけでも、「目で風船を追う」「ポンポンしやすいように体を移動させる」「相手のことを思って力加減を調整する」など様々なタスクがあります!慣れてきたら風船を2つにしてやってみよう!

 

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いろんな場所で手タッチ

①大人が出した手を素早くタッチ!
②初めは狭い幅で、慣れてきたら幅や高さ、奥行きを広げてやってみよう!

同じ場所から動かないように手を動かしてタッチする事で、体幹や空間認知能力、瞬発力を鍛える事ができます。さらに素早くタッチすることを意識することで、集中力や注意の持続も同時に鍛えられます!

 

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その他にも実際に行っているメニューをへやすぽアシスト公式Instagramにて投稿しています!ぜひフォローして普段の遊びに取り入れてみてください!

発達障害のお子さまは目のコントロールが苦手なことが多いです。目の動きや体の協調性を鍛えることは、発達障害のお子さまの運動能力や学習能力を向上させることに貢献するでしょう。

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家庭でのサポート

発達障害を持つ子どもたちが日常生活で直面するマルチタスクの課題に対して、家庭でのサポートは非常に重要です。ここでは、効果的なサポート方法を紹介します。

環境の整理整頓とルーティンを決める

整理整頓された物理的な環境は、子どもが集中しやすくなります。散らかった環境は注意を散漫にさせるため、特に発達障害を持つ子どもにとっては、整理された空間が安心感を提供し、集中力を高める助けとなるでしょう。

また、日常のルーティンを確立することも重要です。定期的なスケジュールを作り、日々の活動を予測可能にすることで、子どもは安心してタスクに取り組むことができます。朝の準備や就寝前のルーティンなど、一日の流れを予測可能にすることで、子どもは次に何をすべきかを理解しやすくなります。

一つずつのタスクに焦点を当てる方法

大きなタスクを小さなステップに分け、一つずつに焦点を当てて進めるように指導することが効果的です。例えば、宿題をする際には、一つの科目を完了させてから次に移るようにすると、子どもはそれぞれのタスクに集中しやすくなります。また、複雑な指示は避け、簡潔で明確な指示を一つずつ与えることが重要です。これにより、子どもは混乱せずに、与えられたタスクを効果的に処理することができます。

親子でのコミュニケーションと理解

子どもの感情を理解し、共感を示すことは非常に重要です。発達障害を持つ子どもたちは、自分の感じているフラストレーションやストレスを言葉で表現するのが難しいことがあります。親が積極的にコミュニケーションを取り、子どもの感情を理解しようとすることで、子どもはサポートされていると感じ、安心します。また、小さな成功でも認め、ポジティブなフィードバックを与えることで、子どもは自信を育み、次のタスクに取り組む意欲を高めます。

運動やアクティビティを通じたサポート

単純な運動やスポーツは、集中力を高め、ストレスを軽減するのに役立ちます。例えば、短い散歩や軽いストレッチ、ボール遊びなどは、子どもの注意力を集中させるのに効果的です。また、子どもが楽しめるアクティビティを選び、遊びを通じて学習する機会を提供することも重要です。楽しい活動を通じて、子どもは自然と学習し、新しいスキルを身につけることができます。

へやすぽアシストでマルチタスクの苦手さを改善しよう!

 へやすぽアシストではマルチタスクが苦手な発達障害のお子さまに対し、おうちでできる楽しい遊びでの改善を目指しています。厳しく指導したり、無理やりタスクを行わせるのは逆効果かもしれません。

今回の記事を読み、「そういえば課題を上手くこなせないな」「話を聞いていないわけじゃなくて、指示を理解できていないのかな」と思った方は、まずは無料オンライン体験レッスンに参加してみませんか?事前にお子さまの好みや性格などを伺い、レッスンへの誘い方までご提案します。体験レッスンではお子さまに関するお悩みやお困りごとも、お気軽にご相談ください!

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