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【発達障害と図形の壁】なぜ図形の理解が苦手?原因と対策方法とは?

【発達障害と図形の壁】なぜ図形の理解が苦手?原因と対策方法とは?

なぜ子どもは図形問題に苦労するのか

子どもたちが学校で直面する数々の課題の中で、図形問題は特に難しいと感じるものの一つです。しかし、なぜ一部の子どもたちは図形に関する問題に特に苦労するのでしょうか?これは、特に発達障害を持つ子どもたちの保護者や教育者にとって、大きな悩みごとかもしれません。

図形問題に苦労する理由は、空間認識の困難、記憶の問題、注意力の散漫など、さまざまな要因が関係していることが知られています。特に、発達障害を持つ子どもたちにとっては、これらの課題がより顕著に現れることがあります。

この記事では、図形問題に苦労する背景にある要因を探り、発達障害がどのようにこれらの課題に影響を与える可能性があるのかを解明します。また、子どもたちが図形問題に取り組む際に直面する具体的な課題と、それらにどのように対処するかについても解説していきます。最後まで読んで、子供の悩みを解決できるように一緒に取り組んでいきましょう。

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そもそも発達障害とは

発達障害は、脳の発達に関わる一連の障害であり、通常、幼少期にその兆候が現れ始めます。本人の怠慢や家族のしつけ・環境などが原因ではなく、基本的に脳の機能の障害から起こります。これらの障害は、学習、コミュニケーション、社会的スキル、そして日常生活のスキルに影響を及ぼすことがあります。

発達障害の範囲は広く、その中でも代表的なものとして自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)があります。これらはそれぞれ異なる特徴を持ち、個々の子どもによって表れ方が異なります。

自閉症スペクトラム障害(ASD):社会的コミュニケーションや行動に特有の困難が見られます。繰り返しの行動や限定された興味の範囲も特徴的です。

注意欠陥・多動性障害(ADHD):注意力の維持、衝動性の制御、過剰な活動性に問題があります。

学習障害(LD):読み書き、算数、言語理解など、特定の学習領域で困難が見られます。

発達障害は治療で「完治する」ものではありませんが、適切な支援と介入によって、多くの子どもたちはその能力を最大限に発揮することができます。早期発見と早期介入が鍵となり、個々の子どものニーズに合わせた教育計画や療育が重要です。

参照:発達障害 – e-ヘルスネット – 厚生労働省

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「ADHDの子どもの、手先の不器用さを改善する方法」

なぜ発達障害の子は図形が苦手なの?

発達障害を持つ子どもたちが図形問題に苦労する理由は多岐にわたります。これらの理由を理解することは、子どもたちに適切な支援を提供する上で非常に重要です。

空間認識の困難

図形処理の苦手さは、日常生活の多くの側面に影響を及ぼします。この問題を理解するためには、視覚認知の2種類の側面(物体認知視空間認知)についての理解が重要です。

物体認知は、物体の形状、色、パターンなどの特徴を識別する能力に関連しています。これは、物体を個別に認識し、それらを他の物と区別する能力です。物体認知は、主に側頭葉によって処理されます。

視空間認知は、物体の空間的な位置や動き、および空間内の関係を理解する能力に関連しています。これは、物体の位置、方向、距離などを理解する能力です。視空間認知は、主に頭頂葉によって処理されます。

図形が苦手な子どもたちを支援するためには、物体認知だけでなく視空間認知の発達も重要です。これらの問題は、日常生活の基本的なタスクを困難にします。例えば、部屋の中で物の位置を覚えること、道順を理解すること、あるいは物体の形状や大きさを判断することが難しい場合があります。これらの課題は、子どもたちが自信を持って社会に参加するために克服すべき重要な障壁です。

参照:VR技術を用いて、視覚認知能力を評価する-Frontier Business

注意力の問題

特にADHD(注意欠陥・多動性障害)を持つ子どもたちは、注意力を維持することに課題を持っています。図形問題は注意深く情報を処理する必要があるため、これらの子どもたちは図形問題に取り組む際に特に苦労することがあります。例えば、図形のパズルを解く際に、途中で注意が逸れてしまい、タスクを完了できないことがあります。

処理速度の遅さ

発達障害を持つ子どもたちの中には、情報処理速度が遅いことがあります。これは、図形問題を解く際に必要な迅速な判断や、複数の情報を同時に処理する能力に影響を及ぼします。たとえば、図形を迅速に比較・分析する必要がある問題では、これらの子どもたちは時間を要することがあります。

記憶の問題とワーキングメモリ

図形問題を解くためには、形状やパターンを記憶し、それを再現する能力が求められます。しかし、発達障害を持つ子どもたちは、短期記憶や作業記憶に課題を持つことが多く、これが図形問題の解決を困難にします。特にワーキングメモリの制限は、複数の図形の特徴を同時に保持し、それらを比較・組み合わせる作業を難しくします。例えば、複数の図形から特定のパターンを見つけ出す問題では、必要な情報を一時的に保持することが困難になります。

言語理解の障害

図形問題にはしばしば、指示や説明が言語で与えられます。発達障害を持つ子どもたちは、これらの言語的指示を理解するのに苦労することがあります。たとえば、「この図形を半分に切って」という指示が、彼らには伝わりにくい場合があるのです。

感覚過敏

一部の発達障害を持つ子どもたちは、視覚的な刺激に対して過敏であることがあります。図形問題における複雑な視覚的情報は、これらの子どもたちにとって圧倒的になることがあります。例えば、色や形が多様な図形を見ることが、彼らにとって不快または困難である可能性があります。

➤関連記事:「感覚統合を高める遊び」

図形処理が苦手な子どもがもつ日常生活の困難さ

図形処理の苦手さは、学校の授業中だけでなく、日常生活の多くの側面に影響を及ぼします。発達障害を持つ子どもたちが日常生活で直面する困難は、しばしば見落とされがちですが、これらの課題は彼らの自立や社会参加に大きな影響を与えることがあります。

空間認識の困難

空間認識の問題は、日常生活の基本的なタスクを困難にします。例えば、部屋の中で物の位置を覚えること、道順を理解すること、あるいは物体の形状や大きさを判断することが難しい場合があります。例えば、学校の地図を理解するのが難しく、教室やトイレの場所を覚えるのに時間がかかるかもしれません。また、スポーツや遊びの中で、物体の動きや位置関係を追跡するのが難しいため、チームスポーツや集団活動に参加するのが苦手な場合があります。

視覚的情報の処理

図形処理に苦労する子どもたちは、視覚的情報を処理する際にも課題を抱えることがあります。これには、色や形、パターンを識別する能力が含まれます。たとえば、衣服の選択や整理、食事の準備など、日常生活の多くの側面で視覚的な判断が求められますが、この時に時間がかかってしまう可能性があります。

図形処理の苦手さへの対処法

図形処理の苦手さを持つ子どもたちを支援するためには、家庭や学校での適切な対応と、特定の運動療育プログラムの実施が効果的です。これらの方法は、子どもたちが図形処理の課題を克服し、学習や日常生活においてより良い成果を得るのを助けます。

家庭や学校でのサポート

家庭や学校では、視覚的サポートを提供することが重要です。図形や空間関係を視覚的に示すことで、子どもたちの理解を促進することができます。例えば、図形のパズルやブロックを使用して、形や空間の概念を教えることが効果的です。また、図形に関する概念を小さなステップに分けて教え、一つずつ確実に理解させる段階的な指導も有効です。実際にジグソーパズルやレゴブロック、折り紙などを使って遊ぶと効果的です。親子で楽しみながら遊んでみてください。

さらに、声かけの方法次第で、空間認識の向上に役立つこともあります。声の大きさや、物を指す際の指示をわかりやすくすることなどが挙げられます。声の指示を用いて、子どもたちが空間内の物体の位置や距離を理解するのを助けることができます。この方法は、特に視覚情報の処理に困難を抱える子どもたちにとって有益です。声掛けの例を下記に紹介します。参考にしてみてください!

①一般的な指示:「本を棚に戻して」
「本をリビングの棚に戻して。緑の本の隣に置いてね」

②一般的な指示「あっちが男の子用のトイレだからね」
「(ピクトグラムを見せて)どっちが〇〇君のトイレかな?」

③一般的な指示「旅行に持っていくおもちゃを入れて」
→「このかばんに入る分だけ、おもちゃ持って行っていいよ」

参照:政策レポート(発達障害の理解のために)-厚生労働省

簡単にできる運動でも図形の苦手さを改善できる!

図形の問題が苦手」→「図形の問題をたくさん解いて、苦手克服しないと!」このような認識の保護者の方も多いと思います。しかし、誰でも簡単にできる運動から、図形の苦手さを克服することができるんです!これらは実際に『へやすぽアシスト』で行っている運動です。ぜひ親子で楽しみながら改善してみましょう♪

素早く壁タッチ

①カラフルなフープやタオルを壁に取り付ける
②親に指示された色を素早くタッチ!

空間認知能力(フープの場所を把握)や視覚的情報の処理(色の識別)の向上に役立ちます。さらに指示された色を素早くタッチすることで、注意力や目のコントロール向上の効果なども同時に期待できます!

 

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親子で風船ポンポン

①親子で1つのボールを何回ポンポンできるかチャレンジ!
②相手が取りやすいように、力加減を調整しよう!

これは風船の位置や落ちる速度を把握しながら、自分の手の位置を調整する必要があります。これらは空間認知能力の向上や、ボディイメージの向上に役立ちます。さらにペアでポンポンすることで、相手のことを考えながら動くようになり、力加減の調整もうまくなります!

 

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へやすぽアシストで楽しみながら「図形が苦手」を克服しよう!

・図形問題が苦手
・方向音痴な気がする
・球技が苦手
・パズルとかの遊びができない
など

上記のようにお悩みの保護者の方は多くいらっしゃいます。必ずしもすべてのお子さまが発達障害とは限りませんが、「図形が苦手なのは、そういう才能がないから」と思うのではなく、今のうちに対策することは、子供の将来に良い影響を与えるでしょう。

 『へやすぽアシスト』では実際にそのようなお悩みを抱えているお子さんや保護者の方と一緒に運動を行っています。そのような方はまずは無料オンライン体験レッスンに参加してみませんか?事前にお子さまの好みや性格などを伺い、レッスンへの誘い方までご提案します。体験レッスンではお子さまに関するお悩みやお困りごとも、お気軽にご相談ください!

 お子さまの運動遊びやトレーニングに興味がある方は、へやすぽアシストまでお気軽にお問い合わせください!