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なぜつま先歩きに?発達障害かもしれない子どもの歩行を改善する方法

なぜつま先歩きに?発達障害かもしれない子どもの歩行を改善する方法

子どもがつま先で歩いている…もしかして発達障害?

 「子どものつま先歩き」はじめはすぐに治るものだと思っていたけど、なかなか改善しない…こう思ったことはありませんか。これは、ただの歩き方のクセではなく、もしかすると発達障害などの、子どもの成長に関わる大切なサインかもしれません。

 「私の子どもだけ?」そんな心配を抱えている保護者の方は、実はたくさんいます。実際に『へやすぽアシスト』で運動をしているお子さまや保護者の方も、そのような悩みを抱えており、理学療法士や作業療法士とともに改善を図っています。

 この記事を読むことで、子どもの歩き方に隠された意味を知り、どう対処すべきかが分かります。つま先歩きは、子どもの将来に影響を与えることもあります。今、正しい理解と対応が大切です。この記事を読んで、子どもの健やかな成長をサポートしましょう。

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発達障害とつま先歩きの関係

 子どもがつま先で歩くこと、これは一見するとただの癖のように思えるかもしれません。しかし、実はこれが発達障害の一つのサインである可能性があります。では、なぜつま先歩きが発達障害と関連しているのでしょうか?

 発達障害は、言葉の遅れ、社会的な交流の難しさ、特定の行動の繰り返しといった特徴を持つことがあります。これらの中には、運動発達に関わる特徴も含まれており、その一つが「つま先歩き」です。つま先歩きは、筋肉の緊張バランスの問題感覚処理の困難さから生じることがあります。

 特に、自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ子どもたちの中には、つま先歩きをする子が多く見られます。これは、ASDの子どもたちが持つ特有の感覚処理の問題や、筋肉のコントロールの難しさに起因することがあります。実際に、ある研究(※1)では、自閉症スペクトラム障害のある324人の子どもたちにおいて、持続するつま先歩き(20.1%)と、かかとの緊張(12.0%)の発生率が高いことが報告されています。これは、ASDの子どもたちや言語障害のある子どもたちにおいて、つま先歩きをしている可能性が高いことを報告しています。

 しかし、すべてのつま先歩きが発達障害を意味するわけではありません。一部の子どもたちは、成長と共にこの歩き方を自然に改善します。しかし、改善しない場合や他の発達上の問題が見られる場合は、専門家の診断を受けることが重要です。

(※1)Barrow,W,Jaworski, M&Accardo, P. (2011). Persistent Toe Walking in Autism. Journal of Child Neurology. DOI: 10.1177/0883073810385344

なぜつま先歩きになるの?

 発達障害を持つ子どもがつま先歩きになる理由は、その発達の特性に深く関連しています。ここでは、発達障害の観点からつま先歩きになる主な原因を探ります。

神経発達の特性

 発達障害、特に自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ子どもたちは、神経発達の特性上、運動パターンの発達に遅れが見られることがあります。定型発達のお子さまも、つま先歩きが発達の過程で見られますが、少しずつ踵をつけた歩き方を獲得していきます。発達障害のお子さまは通常の歩行パターンの確立が遅れ、つま先歩きという特異な歩行形態が発達することがあります。

感覚処理の問題

 発達障害の子どもたちは、感覚処理の問題を抱えることが一般的です。感覚の過敏さや不足が原因で、つま先歩きを選ぶことがあります。感覚の統合が上手くできていないと、つま先歩きになる可能性があるのです。感覚統合とは、足裏の感覚や平衡感覚、体の位置関係などを脳で処理することですが、これが上手くできないことで「歩行の不安定性」に気が付かなかったり、つま先歩きによって得られる特定の刺激を求めたりする可能性があります。

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筋肉の緊張や柔軟性の不足

 発達障害の子どもたちの中には、筋肉の緊張や柔軟性の不足により、つま先歩きになるケースもあります。これは、足の裏やふくらはぎの筋肉が適切に伸びないため、かかとを地面につけるのが難しくなるためです。

習慣や模倣

 幼少期に他の子どもや大人の歩き方を模倣することで、つま先歩きの習慣が身につくこともあります。発達障害の子どもたちは、特定の行動を繰り返す傾向があるため、一度始めたつま先歩きが習慣化しやすく、その歩き方が定着してしまうのです。

日常生活での困りごと

 つま先立ちやつま先歩きが子どもの日常生活に与える影響は、見過ごされることもありますが、実際には多岐にわたります。学校生活や家庭生活での様々なシーンで、子どもたちが直面する困難を具体的に見ていきましょう。

学校生活での影響

 つま先歩きをする子どもたちは、学校での体育の授業やグラウンドでの活動において、バランスを取ることが難しくなることがあります。これは、運動能力に影響を及ぼし、他の子どもたちとの運動ゲームやスポーツに参加する際に不利になることがあります。また、長時間立っている必要がある場面や、長距離を歩く場面では、足への負担が大きくなり、疲労や痛みを感じやすくなります。

家庭生活での影響

 家庭内でも、つま先歩きが原因で日常生活に支障をきたすことがあります。例えば、階段の昇降が困難になったり、家具や壁につまずきやすくなることがあります。また、長時間のつま先歩きが足の筋肉に過度な負担をかけることで、夜間の足の痛みやけいれんを引き起こすこともあります。

日常生活の工夫

 これらの困難に対処するためには、日常生活での工夫が重要です。例えば、家庭内での安全な歩行スペースの確保、適切な靴の選択、家具の配置を工夫することで、つまずきや転倒のリスクを減らすことができます。また、定期的な休息を取り入れることで、足への負担を軽減し、疲労を防ぐことが可能です。

大人になるとどうなるのか

 子どもの頃のつま先歩きが、大人になってからどのような影響を及ぼすのでしょうか?長期的な視点から見ると、この習慣は単なる一時的な問題ではなく、将来的な健康や生活の質に影響を与える可能性があります。

大人になった時の影響

 大人でもつま先歩きを続けるとしんどいですよね。つま先歩きが続くと、足の筋肉や関節に異常な負担がかかり続けることになります。そして成人期における足の痛みや歩行障害の原因となることがあります。

 また、つま先歩きが原因で足の形が変わることもあり、これがさらなる歩行の問題や姿勢の悪化を引き起こすことがあります。さらに、社会生活や職業生活においても、これらの問題は自信の欠如や社交的な制限を引き起こす可能性があります。

早期介入の重要性

 これらの長期的な影響を考えると、「早期介入」の重要性が浮き彫りになります。子どもの頃から適切な治療やサポートを受けることで、つま先歩きの習慣を改善し、将来的な問題を防ぐことが可能です。早期介入には、適切な運動療法、物理療法、場合によっては装具の使用などが含まれます。『へやすぽアシスト』ではこのようなお子さまに対して、遊びながら改善できる運動を一緒に行っています。

つま先歩きの改善のための運動

 それでは誰でも簡単にできる、つま先歩きを改善するための運動を3つ紹介します。これらは実際に『へやすぽアシスト』でも行っている運動です。遊びながら楽しくできるので、集中力の無いお子さまにもおすすめです!親子で一緒にチャレンジしてみてください♪

タオル蹴り上げキャッチ

①床に置いたタオルを蹴り上げる。

②蹴り上げたタオルを手でキャッチ!

③自分でキャッチできたら、前にいるお母さんにパスしてみよう!

 タオルを蹴り上げてキャッチすることは、足の運動に加えて、手の動きも必要になります。普段つま先歩きだと使われている筋肉が偏っているため、色々な動きで他の筋肉を刺激することが必要です。さらに目と体の協調も良くなり、スムーズに動けるようになります!

 

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スーパーしっぽとり

①足にボールやクッションを挟む。

②大人の動きを見て、両足でジャンプして動く!

③相手のタオルをGETしてみよう!

 足にボールを挟むことで、普段なかなか使われない足の内側の筋肉を刺激できます。さらにボールを落とさないように力を入れながらジャンプをすることで、一度に様々な筋肉を刺激できます。姿勢を良くするための体幹も同時に鍛えられます♪

 

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ツイスターゲーム 

①いくつかの色のフープ(もしくはタオル)を用意し、床にランダムに設置する。

②ママは手足をどの色に入れるか指示する。(例:「右足を黄色!!」)

③子供は指定されたように手足をつけ、床に体全体がつかないようにキープ!

④一度置いた手足は、次の指示があるまでできるだけ動かさない。

 少ない接地面で姿勢を維持するため、バランス感覚や手や足裏の感覚を鍛えることができます。さらに手足のみで体を支えることで、体幹強化も期待できます!

 

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子供のつま先歩きを改善するためには、感覚統合も非常に重要な点です。

 その他にも実際に行っているメニューをへやすぽアシスト公式Instagramにて投稿しています!ぜひフォローして普段の遊びに取り入れてみてください!

保護者へのアドバイス

 発達障害を持つ子どものつま先歩きへの対応において、保護者の方が日々の生活でできるサポートは非常に重要です。まず、子どもが安心して歩けるような家庭環境を整えることが大切です。家の中の障害物を減らし、安全な歩行スペースを確保することで、子どもたちは歩行の練習をしやすくなります。また、子どもが通常の歩行を試みたときは、積極的に褒めて励ますことが重要です。小さな進歩も認め、ポジティブなフィードバックを提供することで、子どもの自信とモチベーションを高めることができます。

 保護者としての心構えも大切です。子どもは生まれて初めて歩行を習得するのです。「できなくて当たり前」だと思います。子どもの歩行改善には時間がかかることを理解し、忍耐強くサポートすることが求められます。子どもの能力やペースに合わせて、無理なく進めることが大切です。

 また、つま先歩きが長期間続く場合や他の発達上の問題が気になる場合は、専門家に相談することもアリだと思います。個別のニーズに合わせたアドバイスやサポートを提供し、子どもの発達を適切にサポートするための指針を得ることができるでしょう。

へやすぽアシストで専門家と一緒に正しい歩き方を身につけよう!

 人間の歩き方は人それぞれですが、負担のかかる歩き方は子どもの将来に影響を与える可能性があります。「いつかは改善する」と思っていても、なかなか治らないことは子どもの発達に関する何らかのサインかもしれません。

 「うちの子の歩き方が気になる」「そういえばたまにつま先で歩いてるな…」「足裏の感覚が過敏な気がする」などといったお悩みを持っている保護者の方はあなただけではありません。『へやすぽアシスト』では実際にそのようなお悩みを抱えているお子さんや保護者の方と一緒に運動を行っています。子どもの歩き方にお悩みの方は、まずは無料オンライン体験レッスンに参加してみませんか?事前にお子さまの好みや性格などを伺い、レッスンへの誘い方までご提案します。体験レッスンではお子さまに関するお悩みやお困りごとも、お気軽にご相談ください!

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