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鉄棒の効果とは?楽しくできる鉄棒遊びと教え方のコツ

鉄棒の効果とは?楽しくできる鉄棒遊びと教え方のコツ

公園でもよく見かける鉄棒ですが、「鉄棒は難しそう!」「鉄棒はどうやって教えたらいいの?」「いつから始めたらいいの?」と悩んでいませんか。実は、小学校入学前の子どもや運動が苦手な子どもでも、鉄棒で簡単に遊ぶことができます。とはいうものの、実際にどのように鉄棒を教えたらいいのか困ってしまいますよね。そこで、今回は楽しくできる鉄棒遊びや教え方のコツをご紹介します。

鉄棒はいつから始めたらいいの?

鉄棒はいつから始めたらいいのでしょうか?

実は3歳から鉄棒で遊ぶことができます。文部科学省の『幼稚園学習指導要領解説』でも、3歳〜4歳ごろから鉄棒の活用を勧めています

この時期の子どもは動きにぎこちなさはあるものの、体の動きをコントロールしながら、身体感覚を高め、よりなめらかな動きができるようになると言われていますまた小学校入学前に鉄棒を経験することによって、鉄棒への恐怖心を和らげることができます。鉄棒は小学校の体育でもやりますが、鉄棒に対して「苦手」「怖い」とマイナスイメージをもつ子どもはとても多いです。

だからこそ、鉄棒を遊びとして早い段階で取り入れることがオススメです。

鉄棒の効果とは?

そもそも、子どもにとって鉄棒はどのような効果があるのでしょうか?結論からお話すると、鉄棒の効果は3つあります。1つ目は「筋力の向上」、2つ目は「バランス感覚を養う」、3つ目は「心を育てる」です。

それでは、3つの効果について詳しく説明していきます。

① 筋力の向上

鉄棒は全身を使う運動のため、筋力の向上が期待できます。例えば、鉄棒をしっかり握ることで握力が鍛えられます。また鉄棒にぶら下がり足を曲げることで、腹筋や股関節まわりの筋肉のトレーニングができます。このように、1つの鉄棒遊びで全身の筋肉を鍛えることができるため、子どもの筋力アップに繋がります。

② バランス感覚を養う

鉄棒は細い棒だけで体を支えるため、体のバランス感覚を養うことができます。

例えば、鉄棒にお腹をつけて上がるだけでも、両腕で全身を支えなければいけません。またゆらゆら揺れることで体を滑らかに動かす感覚も養われます子どもの意識の中で「鉄棒から落ちたくない」という思いが強くなるほど、体のバランスを保つ練習ができ、自然とバランス感覚が育っていきます。

③ 心を育てる

鉄棒は日常生活で経験しない動きが多いため、普段とは違う気持ちを感じることができます。様々な感情を経験することで、心が豊かに育っていきます。

例えば、鉄棒で遊びながら、子どもは「できるか不安だな」「落ちたら怖いな」「揺れるって気持ちいい」「ずっとぶら下がるのは大変だ」など様々な気持ちが湧き出てきます。厚生労働省の『保育所保育指針解説』の中でも、以下のように説明しています。子どもは、様々な活動に取り組み、それぞれの活動を楽しむことで、心や体を十分に動かし、心と体の調和のとれた発達をしていく。

出典:厚生労働省の保育所保育指針解説 195ページ

つまり、鉄棒など新鮮な動きを経験することで体だけでなく心も育っていくといえます。

楽しくできる!鉄棒遊び6選

鉄棒を使ってどんな遊びをしたらいいのでしょうか?

今回は、年齢が小さくても、運動が苦手でも、楽しくできる鉄棒遊びを6つ厳選しました。子どもがより楽しくできるように「動物やモノのマネをする」というテーマでご紹介します。それでは、みていきましょう。

おサルさんになろう!(ぶら下がり)

【方法】

① 両手で鉄棒をしっかり握る。

② 両足を曲げて、ぶら下がる。

③ 慣れてきたら、ぶら下がったまま前後に揺れる。よりサルの動きに近づきます。

アドバイス

・ぶら下がりがまだ怖い場合は、大人1人が子どもの両手を持ち上げたり、大人2人で両サイドから子どもの体を上げたりすることから始めてみましょう。

カンガルーになろう!(スリージャンプ)

【方法】

① まず、地面に立ったまま、両手で鉄棒を握る。

② 「イチ、ニッ、サーン」のリズムで3回ジャンプする。

③ 3回目のジャンプで体を鉄棒の部分まで上げる。

③ そのままキープ。もしくは、何度も繰り返す。

アドバイス

・足裏や膝など下半身を使って、リズムよく上がるようにしましょう。

ツバメになろう!(ツバメ)

【方法】

① 先ほどのスリージャンプから、体を斜め前へ傾ける。

② 背中と足を引き合うように伸ばす。

アドバイス

・目線を斜め上に上げることで自然と体が伸びてきます。

・「〇〇をみてごらん」と目印になるものを伝えると子どもは理解しやすいです。

お布団になろう!(布団干し)

【方法】

① ツバメの状態から上半身を下へ下げる。

② 慣れたら足も手もだらーんと下へ伸ばす。

アドバイス

・怖がっていたら、腰を持ってサポートしてあげましょう。

・地面に何かマークを書いておくと、見ることができた時に盛り上がります。

・スリージャンプやツバメ、布団干しが前回りへと繋がっていきます。

コウモリになろう!(コウモリ)

【方法】

① 両足を鉄棒にかけてぶら下がる。

② 慣れてきたら、目線を下げ、手も下げる。

アドバイス

・子どもは試行錯誤しながら足をかけますが、その子に合った方法で楽しくチャレンジすることを優先させましょう。

ブタの丸焼きになろう!(豚の丸焼き)

【方法】

① 横向きになって鉄棒を両手でもつ。

② 足で地面を上へ蹴って、両足で鉄棒をクロスして挟む。

アドバイス

・足が上がらない時は、お尻を持ってサポートしてあげましょう。

・「何秒キープできるかな」とゲームにすると盛り上がります。

・「落ちたらとっても熱いよ〜」と声をかけると楽しくできます。

以上、6選です。

内容は簡単ですが、慣れていない場合はすぐにできないこともあります。大切なことは完璧にすることではなく、鉄棒の動きを経験することや楽しむことなので、一人一人に合ったペースで取り入れてみてください。

教え方のコツ

鉄棒の教え方のコツは2つあります。ポイントをしっかり押さえて、子どもと楽しく遊びましょう。

① 小さなことでも褒める

どんなに小さなことでも褒めてあげましょう

理由は、子どもが失敗しても、鉄棒を楽しめるようにするためです。やはり鉄棒は苦手と感じる子どもが多く、できるまでに時間がかかります。最後まで楽しくできるように小さな成長を褒めてあげることが大切です。

例えば「腕で支えるのが上手だね。」「3秒もキープできてすごいね。」など褒めることで、子どもは成長を実感でき、もっと遊びたくなります。そのため、うまくできない時こそ成長のチャンスだと思って、たくさん褒めてあげてください。

② 安全面に気をつける

鉄棒をする時は、安全面にしっかり気をつけましょう。

鉄棒は一歩間違えると大きな怪我に繋がってしまいます。そのため、大人が近くで見守ることがオススメです。また、鉄棒をやる前に「鉄棒を最後までずっと握るんだよ。」という約束をしておきましょう。遊ぶ前に気をつけるポイントを教えることで、子ども自身が自分を守ることができます。その結果、より安全に遊ぶことができます。

まとめ

いかがでしたか?

鉄棒は難しいイメージが強いですが、実は子どもの発達にとても効果的な全身運動です。小さい頃から、遊びの中に鉄棒を取り入れることで、「鉄棒って楽しい!」と思える子どもに育っていきます。それと同時に、遊びながら子どもの体や心を育てることにも繋がります。

たとえ、うまくできなくても焦らずに、一歩ずつ成長する過程もぜひ楽しんでみてください。

それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました。

参考文献

文部科学省『幼稚園学習指導要領解説』

厚生労働省の『保育所保育指針解説』

文部科学省『小学校学習指導要領解説解説 体育編』