最近、小学生でも身体が硬いことが原因で転倒や運動によってケガをする子供が増えています。身体が硬いと、日常生活でも支障が出たり、体育の授業やスポーツを行う際にも身体を上手に使いこなせないことで苦手意識が芽生えてしまうことが多くあります。
ゲーム感覚で出来るストレッチや全身運動の水泳を取り入れることで関節の可動域が広がり、ケガの予防にも繋がります。このような運動を通して筋肉がつくことで、更に身体の柔軟性が増し、運動能力の開花に繋がります。
この記事では、身体が硬くなる原因と柔軟性を高める方法についてご紹介します。
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身体が硬いことで生じるデメリットと柔らかくなることで得られるメリット
身体が硬いと姿勢が悪くなったり、関節の可動域が狭いことや筋肉が硬直することが原因でケガをしやすくなります。また、体育やスポーツをする際に運動が苦手と感じるだけでなく、太りやすかったり疲労が溜まりやすいといったデメリットが多くあります。
しかし、日々の運動やストレッチを取り入れていけば柔軟性が高まり、血行や代謝が良くなって風邪をひきにくい健康な体が手に入り、痩せやすくなるといったメリットもあるのです。
身体が硬いと運動が苦手になりやすい
幼少期から身体が硬いと、自分にとってはそれが当たり前となり、「これが普通」だと感じてしまいます。そうなると、無意識の中で身体を自在に動かすことが出来なくなり、ケガをしやすくなったり、体育の授業やスポーツに対しての苦手意識が出てきます。
身体を動かすことに対して苦手意識を持ってしまった子が自ら進んで「運動をしよう!」と積極的になることも少ないので、年齢を重ねていくと更に身体が硬い子が増えていきます。
運動不足の他にも、「猫背」など身体に負担がかかりやすい姿勢で生活をしてしまうと、その姿勢が慢性化し、次第に筋肉が硬直し、関節の可動域も狭くなり腰痛や肩こりなどを招く原因にもなります。
柔軟性がない子ほどよくケガをする
運動やスポーツでのケガの原因となることが多いのが「衝撃」です。力を発揮したときに、身体にはねかえってくる力も強くなり、結果として身体にかかる衝撃が強くなります。
身体に強い衝撃が加わることで、衝撃を吸収して分散できないことが原因で痛みやケガに発展することが多くあるのです。この衝撃を吸収し、上手に分散させる働きとして活躍するのが柔軟性なのです。ストレッチを習慣化させ、柔軟性を高める事で運動能力の向上だけではなく、ケガを事前に予防することにも繋がります。
身体が柔らかくなることで姿勢が良くなり、運動能力も向上しやすい
実は、身体が柔らかいと良いことというのは沢山あります。身体の関節や筋肉を上手に使いこなせると、転んでしまったりバランスを崩したときもいち早く身体が反応し、ケガを防ぐことが出来ます。また、身体が柔らかいと血液の循環が良くなり健康にも繋がるのです。
身体が柔らかくなることで得られるメリットは下記のようになっています。
・運動能力向上
・疲れにくくなる
・ケガの頻度が減る
・正しい姿勢が身に付く
・風邪を引きにくい
・体育の時間が楽しみになる
身体が硬くなると血流が悪くなり、栄養が行き届かなかったり、老廃物が輩出されないため疲労が蓄積していきます。疲れが溜まっている状態や姿勢が悪いと、体育や習い事のスポーでも苦戦してしまう傾向があります。柔軟性を高めることで習得や上達が見込め、苦手意識がなり、よりスポーツを楽しめる要因にも繋っていきます。

運動不足が身体をより硬くさせている!その原因と子どもの現状について
昨今、公園など外で遊べるような場所が少なくなっていたり、治安を考えると子どもだけで遊ばせることへの不安も大きく、外遊びで身体を動かす子どもは大幅に減って来ています。
学校生活やテレビゲームなど、親世代に比べると室内で生活する時間が増えており、身体を動かす機会が減少していることが運動不足を招いている、身体をより硬くしている原因とも言えます。
筋肉と関節の柔軟性で身体の硬さが決まる
身体の硬いこと柔らかい子の違いは主に2つあります。
一つは「筋肉」です。身体が硬い子よりも柔らかい子は筋肉が柔らかいのです。
そして、もう一つは「関節」です。足を横に広げた開脚などは股関節の関節の柔らかさで開く範囲が変わってきます。このように、身体の柔らかさというのは関節の可動域が大きく関係しています。
低年齢でも身体がすごく硬いという子どもの中には、幼稚園や保育園に通っている段階で身体を動かす機会があまりなかったという子が実は非常に多いのです。
運動不足だと関節の可動域が広がりづらく、疲労も溜まりやすい
日常生活を送る中で、関節の可動域を極限まで使うということはほとんどありませんよね。ですが、実は関節は動きのない所から徐々に硬直していきます。そして、運動不足になると、筋力や関節の柔軟性が低下することはもちろん、血流が悪くなることから疲労が蓄積したり、身体の不調にも繋がるのです。身体が硬くなると、当然筋肉も硬くなります。
筋肉の中を通っている血管が圧迫されて血流が悪くなると、体内に栄養が行き届かないだけではなく、老廃物が排出されづらくなることが疲労が溜まりやすくなったり、痛みを感じる原因なのです。
また、身体が硬い人の筋肉は、緊張状態にあり、短いといった特徴があります。筋肉が緊張していると、リラックスしている時の数倍エネルギーが使われるので疲れやすくなるのです。身体の痛みや疲労感に伴って、運動量や身体活動量も減少し、必然的に筋肉も硬くなるので、結果的に負のスパイラルから抜け出すことが出来なくなってしまいます。
子どもたちのストレッチへの理解度は低い
小学生でもスポーツをやっていない子どもの多くに「ストレッチをすると身体が柔らかくなる」という価値に対する理解はほとんどありません。身体の硬い子どもに対して「ストレッチをしなさい!」と言っても、やり方やメリットが分からなければ、動きをただやるだけになってしまい実際に身体が柔らかくなるようなストレッチを行うことは出来ません。
また、身体が柔らかくなったことを実感できないと「ストレッチ=痛いもの」という認識が抜けず、積極的に取り組むようになることはほとんどないのです。

誰でも出来るテストで身体の柔軟性や可動域を確かめよう
ストレッチをしたことで身体がどれだけ柔らかくなったのかが分かれば、継続性も増しますよね。まずは、自分の身体の柔軟性がどれくらいなのかを知ることが大切です
SLRテストで下半身の柔軟性を確認しよう!
SLRテスト、またの名を「下肢伸展挙上テスト」と言います。仰向けに寝た状態で、片方の足を膝を伸ばし、反対側の足がどこまで上がるのか(股関節を曲げられるか)をチェックするテストで片足ずつ行います。評価の基準として、股関節が90°まで曲がらない(足が天井に向かって垂直に伸びない)理由として、ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)が硬い、股関節の可動域が狭い、体幹が弱くなっているといった原因が挙げられます。
また、最初から強い力で足を上げてしまうと、痛みが出てしまう可能性があるので最初は丸をかくように足を動かすと痛みが出ることもなくスムーズにチェックをすることが可能です。
このテストをする際の注意点としては、足を挙げた時に反対側の伸ばしている方の足がつられて浮いてしまうと正確に測定できないので浮かないように気を付けることが大切です。
足の裏を床に全部つけて、しゃがめますか?
まずは、お尻を床につけないようにして膝を曲げ、足の裏を床につけてしゃがむことは出来るかチェックしてみましょう。膝を曲げてしっかりとしゃがむことが出来なかったり、しゃがめたとしても後ろに転んでしまう子どもは身体が硬い硬い傾向にあります。
近年、和式のトイレが一般的ではなくなり、和室で正座やあぐらなどで座るといったことも日常生活ではほとんどありませんよね。このような生活スタイルに伴って、膝を曲げるといったことも少なくなっています。これらの要因もあり、昔に比べると足腰の筋肉や関節を使う頻度が圧倒的に減少し、しゃがむことが出来ない子供が増えてきているのです。
前屈で手を床につけて5秒keep
学校の体力測定などでも長座体前屈や立位前屈は身体の柔軟性を測る方法として用いられることが多く、大人であれば誰もが一度はやったことのある動きですよね。
立位前屈をすることにより、ハムストリングス(太ももの裏の筋肉)の柔らかさを知ることが出来ます。まずは、まっすぐに立った状態から身体を前屈し、床(地面)に手をつけられるかどうかを試してみましょう。この時に、膝は伸ばした状態で行い、反動はつけないように注意をしましょう。また、身体が柔らかく床に手が届いてしまうという人は台に乗って測定します。この時、キャスター付きの台などは危険ですので必ず安定したものを選ぶようにすることが大切です。

ストレッチや全身運動を行うことで柔軟性が向上する
ストレッチを行う際に大切なことは、勢いをつずにゆっくりと時間をかけて行うことです。目安としては40秒から1分以上かけてじっくりと身体を伸ばすように行いましょう。一つの箇所を適度な休憩を入れて3-4回位行うとより柔軟性が増します。この時に息を吐きながら身体を伸ばすようにするとより効果的です。
入浴後に15分のストレッチで柔軟性が高まり、ケガを未然防止できる
せっかくストレッチをやるなら、より効果の出る方法を知りたいですよね。
ストレッチをやるタイミングは、お風呂に入った後が一番オススメです。
理由としては、身体が暖まった後の方が血行が良くなり筋肉がほぐれやすくなるのです。また、関節の可動域が広がり、柔軟性が高まりやすくなります。
ストレッチをする際も、一か所に出来るだけ時間をかけて丁寧に行いながら、入浴後に15分~20分ほど時間を取り、継続していくと身体が少しずつ柔らかくなっていきます。
水泳など全身を使った運動でケガをしない身体づくりを行う
まずは運動不足を解消することが身体を柔らかくすることにも繋がります。全身の筋肉を使うことで、より柔軟性が高まる「水泳」は非常に効果があります。水泳は、身体の可動域を最大限に生かした全身運動と「呼吸」が関係してくるスポーツです。水の中を泳ぐことにより、呼吸と腹圧で横隔膜(呼吸をするための筋肉)が動きます。身体の硬さにはお腹の硬さも関係しているので、横隔膜を柔らかくし、鍛えながら身体の柔軟性を高めていくことが大切です。
続けやすい方法で継続し、ストレッチをする習慣を子供の頃に身につける
一人でのストレッチだと子供は慣れるまで継続的に行うことが難しいので、出来れば入浴後に親子で一緒にストレッチをしてあげると良いと思います。沢山の種類をいっぺんにやるとイヤになって翌日からやらなくなる子どもも多いので、遊びを取り入れながらゲーム感覚で出来るストレッチを丁寧に行うことをオススメします。子どもと一緒にやる際の注意点としては、勢いや弾みをつけて行わないことです。呼吸をしっかりと行いながら、ゆっくりと伸ばしていきましょう。前屈などは、紙に1cmずつ印をつけて床に対して垂直になるように壁に貼っておけば計測が出来て日々の成果が数字で確認できるので子どものモチベーションアップにも繋がります。

身体の硬い小学生には…
まずは自分の身体の硬さをまずは知ることから始めていきましょう。ここで紹介した測定方法などで硬さを確認してからストレッチや運動などを生活の中に取り入れ、身体を動かす頻度を挙げていくことが大切です。
また、入浴後の身体が暖まっているタイミングでストレッチを行うことで血行が良くなり、筋肉もほぐれやすくなるので身体の可動域が広がりやすくなり有効的です。
子ども一人でストレッチを行うと動作の真似事のようになり関節や筋肉があまり伸びないといったケースがあります。慣れてくるまでは遊びやゲーム感覚で出来るストレッチを取り入れて親子で一緒にやることがオススメです。
日々のストレッチを習慣化し、柔軟性に富んだ身体を手に入れてケガのない健康的な身体づくりを行って行くことが将来的には子どもの運動能力の開花にも繋がります。

