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子どものロコモはなぜ起こる?原因から予防法までを解説

子どものロコモはなぜ起こる?原因から予防法までを解説

現代社会で注目されている子どものロコモをご存知ですか?もともとロコモは老化によって立ったり歩いたりすることが難しくなる症状です。

しかしスマホやゲームの普及、コロナウイルスの影響も相まって子どものロコモが問題視されています。ロコモは放っておくとケガをしやすくなったり疲れやすかったりと、運動面や精神面にも大きな影響を及ぼす可能性があるのです。

 

ここでは今からでもできる予防法や簡単にできるロコモチェックを紹介しています。子どものうちからしっかり予防し、丈夫な体を作りましょう。

子どもロコモは運動器の障がい

ロコモとはロコモティブシンドロームの略称です。運動器機能が低下し日常生活で様々な支障をもたらす症状のことを言います。加齢により骨が弱くなったり筋力が低下したりすると体を動かすこと自体が辛くなり、運動機能の低下を引き起こします。そんな運動不足が続くことによって、立ったり歩いたりという移動すら難しくなる状態のことがロコモです。現代ではそのような症状が子どもたちにも出ています。

 

ではロコモになると具体的にどのような症状が出てくるのかをみてみましょう。

姿勢が悪い

スマホやゲームの普及により、姿勢が悪くなっている子どもが増えています。猫背やストレートネックなど、本来は大人に起こる症状が子どもにも現れているのです。悪い姿勢で長時間座ってゲームをしていると肩こりや腰痛を引き起こしたり、体幹の弱さから疲れやすくなったりすることが出てきます。

骨折しやすい

コロナ禍の影響と生活習慣の変化が原因で、昔と比べて子どもの骨はもろくなっています。転んだだけで骨折してしまう子どもも少なくありません。外で遊ぶよりも家にいることが多いため体力が低下しているのです。またファーストフードやお菓子など、偏った食生活により必要な栄養素が十分に摂取できていないことも原因になっています。

転んだときに手が出せない

子どもにケガはつきものですが転んだときに手が出せず、顔にケガをしてしてしまう子どもが増えています。腕の筋力が弱く自分の体が支えられなかったり、外で体を思いっきり動かしたりすることが少なくなったからです。転んだときに手が出せないと鼻の骨折、頭を打つなど危険なことがたくさんあります。

子どもロコモになる原因

ロコモは主に高齢者が筋力の低下や足腰が弱ってしまうことによって起こる症状です。そんなロコモがどうして子どもにも引き起こされるのか、その原因をみてみましょう。

運動不足

筋力や体力の低下につながる運動不足はロコモになる原因の1つです。適度な運動は健康な体をつくったり、豊かな心の発達を育んだりと子供の成長に深く関係しています。しかし現代社会ではコロナ禍による自粛生活やゲームの普及により、外で体を動かして遊ぶ子どもが少なくなっています。

 

その結果、運動不足になってしまいロコモを引き起こしてしまうのです。

生活習慣の乱れ

食事、睡眠、運動といった基本的な生活習慣が乱れてしまうと健康な体をつくることはできません。心身が大きく成長する子どもにとって栄養バランスの良い食事や十分な睡眠は必要不可欠です。現代では共働き家庭が増え、親の仕事の関係で就寝時間が遅くなったり、スマホを見て夜更かししたりする子どもが増えています。

 

また、コンビニのご飯やファーストフードなどを好み、栄養の偏った食事をする子どもも少なくありません。そういった不規則な生活習慣は骨や筋肉の成長に大きく影響します

過度なスポーツ

子どもの頃からの過度なスポーツが原因でロコモになってしまう場合もあります。成長期である子どもの骨はまだしっかりと形成されていません。まだまだ未発達な体でありながらも、本格的なスポーツをしている子どもが多く見受けられます。もちろんスポーツをしたり運動したりすることは子どもにとって大切なことです。

 

しかし、過度なスポーツは同じ筋肉ばかりを使うことで部分的に負荷がかかってしまいます。楽しんでスポーツをすることは良いことですが、トレーニングのし過ぎは骨の成長を妨げる可能性があるので注意が必要です。

子どもロコモをチェックする5つの方法

ここからは子どもがロコモかどうかをチェックするため、「認定NPO法人 全国ストップ・ザ・ロコモ協議会」から5つの方法を紹介します。1つでもできなければロコモの可能性があるので、自宅でも試してみてください。

左右それぞれ片足立ち(5秒間)

左右それぞれ片足で5秒間立ってみましょう。5秒以上できなかったり、ふらふらしたりしていませんか?猫背でのゲームやスマホによるストレートネックで、普段から姿勢が悪くなり、体のバランスが崩れているのかもしれません。

腕を垂直にあげる

両手をまっすぐ上にあげます。耳の後ろまでしっかりあげられるかどうか確認してください。子どもの体は本来やわらかいので、まっすぐ上にあがるはずです。しかし最近では運動不足が原因で柔軟性が低く、体のかたい子どもが増えています。上半身の柔軟性が低いと、腕がまっすぐあがらない場合があります。

しゃがみ込む

両手を前に出してしゃがんでみましょう。途中で止まることなくしゃがみ込んでください。かかとがあがったり後ろに転んだりしてしまうと、下半身の柔軟性が低いということになります。

体前屈

体を前へ倒してひざを曲げずに指先を床につけることができますか?ハムストリングスと呼ばれる太もも裏の筋肉がかたいとひざが曲がってしまったり、床まで指先が届かなかったりします。

ハムストリングスがかたくなってしまう原因は悪い姿勢で長時間座っていることです。ゲームやスマホは時間を決めて遊び、良い姿勢を意識して日常生活を送る必要があります。

グーパーの動作

肘をひくときにグー、腕を前に出すときにパーを出す動きです。途中で止まらずスムーズに行いましょう。このとき手首と指が反っているかどうかを確認します。

この動きは手首がどのくらいの範囲まで動くかをチェックするものです。グーパーができないと手をしっかり反れないということになります。転んだときに手が出せなかったり、体を支えられなかったりしてケガをしやすくなってしまうのです。

子どもロコモの予防法

子どもロコモと診断された、またロコモかもしれないと疑ったときには早いうちから改善、予防することができます。ロコモは放っておくと危険です。筋力が低下していたり柔軟性が低かったりすると、ケガをしやすくなります。また骨がもろくなっている分、転んだだけで骨折してしまう可能性もあるのです。若いときから食事や運動に気をつけ、健康で丈夫な体づくりを心がけましょう。

バランスの良い食事

骨や筋肉をつくるためには栄養バランスの良い食事がとても大切です。必要な栄養素をしっかりとることで元気に体を動かすことができます。

しかし炭水化物やタンパク質、ビタミンにミネラルなど様々な栄養素をとるためには多くの食品を食べる必要があります。毎日家庭で品数の多い食事を出すのは負担がかかるでしょう。

 

まずはいつもの朝ごはんに卵やサラダ、ヨーグルトをつけるといった簡単なことから工夫してみてください。夜ご飯は朝と昼にとれなかった食品をできるだけ補うことを意識します。1回の食事で全ての栄養素をとるのは難しいことです。1日を通してバランスの良い食事ができるようにしてみましょう。

適度な運動

ロコモは運動不足によって引き起こされるので、予防するためには適度な運動が必要不可欠です。現代ではスマホやゲームの普及によって家で遊ぶ子どもが増えています。子どもが思いっきり体を使って遊べるように、大人も一緒に外へ出て運動する機会をつくってあげることが大切です。親子でできるキャッチボールや家でも遊べる手押し相撲など、親も一緒に楽しむことで子どもの運動意欲も増します。体を動かすことの楽しさを伝えてあげてください。

まとめ

高齢者だけではなく、子どもの頃から発症してしまうロコモは身近な問題です。ゲーム機器や車、ファーストフードなど世の中が便利になったことで全ての人がロコモを引き起こしやすくなっています。

 

特に体が大きく成長する子どもの時期には食事や運動がとても大切です。家庭でも規則正しい生活が身につくように、少し意識してみてください。よく食べてよく寝て、体をたくさん使って遊ぶことが子どもにとって健康への1番の近道になるでしょう。