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子供はなぜ転びやすいのか?原因と対策を徹底解説

子供はなぜ転びやすいのか?原因と対策を徹底解説

子供は大人に比べて転びやすいですものですが、なぜ転びやすいかご存じでしょうか?

子供が転ぶ原因はいくつもあり、原因に合った対処をすることが大切です。

 

この記事では、子供が転びやすい原因や対策を詳しく解説します。小さい子供をお持ちの方や子供がよく転ぶのが心配な方は、ぜひご覧ください。

子供が転びやすい原因

子供が転びやすい原因には、様子を見ながら経過観察するといい場合専門医の診察を仰いだ方がいい場合があります。

それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。

こんなときは様子を見ながら経過観察しよう

子供の転倒の原因が以下のものであるときは、様子を見守りつつ経過を観察しましょう。

 

安定感がないため転ぶ場合

子供は頭が大きく手足が短いので重心が高く、不安定です。お腹もぽっこりしており全体のバランスも悪いため、歩き始めなどはとくに転ぶことが多くなります。

 

歩き方が未発達

3歳くらいまでは、周りの状況に合わせて身体をスムーズに動かすことができません。経験を積むと、例えばつまずいても次の足を出すことで転倒を防ぐことができるようになりますが、始めの頃はうまく身体を動かせずに転んでしまいます。

 

筋肉が未発達ですぐに疲れる

子供は筋肉がまだ十分に発達していません。そのため、歩いていてもすぐに疲れたり、上手に足を動かすことができなかったりして転んでしまうのです。

 

足元に注意がいっていない

小さい頃は歩くことに注意が足りてなかったり、行きたいところばかりに注意がいってしまい、足元がおろそかになったりしがちです。

その結果、気持ちに足がついていかず転んでしまうことがあります。

 

歩く経験が足りていない

子供は、歩く経験を積めば積むほど早くしっかり歩けるようになります。近年ではコロナ禍の影響もあり、外遊びが足りず足を鍛える機会が少ない子供が増えています。

 

靴が合っていない

子供の服や靴はすぐに小さくなってしまうので、大きめを買い与えがちです。

ですが、靴が大きすぎると重心の移動がうまくできなかったり、足が靴の中で動いて正しく歩くことができなかったりして転びやすくなります。

専門医の診察を仰いだ方がいい場合

以下の場合は、経過観察はせずに速やかに専門の医師の診察を受けてください。

 

神経や筋肉の病気

よく転ぶだけでなく、両足でのジャンプができない、手を使わずに立つ、階段を上る、イスから立つなどができない、お尻を振って歩く、運動面の発達が遅い、などの状態が見られる場合は、以下の病気の可能性があります。

・脳腫瘍

・筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、ポンぺ病などのNMD(神経筋疾患)

・筋炎

 

骨の病気

股関節や膝関節の異常に異常がある場合には、歩き方がおかしい、足首の関節が硬い、関節の動きや形がおかしい、極端なO脚やX脚などが見られ、転びやすくなります。

 

発達障害がある

発達障害があると、転びやすくなることがあります。

DCD発達性協調運動障害は、身体機能には異常がないのにボールが蹴れない、階段の上り下りがスムーズにできない、指先を使う動作が苦手、などの症状がある障害です。

 

また、注意欠陥・多動性障害がある場合も注意がそれやすく、転んだりケガをしたりしやすい傾向があります。注意欠陥・多動性障害の子供の約半数は、DCD発達性協調運動障害も併せ持っていることも判明しています。

何科に連れていけばいいの?

 

「専門医に相談したいけれど、何科に連れていけばいいのかわからない」という保護者の方もおられるでしょう。

子供が転びやすくて心配な場合に連れていく病院は、小児科や整形外科、小児神経科などが挙げられます。

どの病院が適切かの判断は素人には難しいので、まずはかかりつけの小児科に連れていくことをおすすめします。もし、専門医の診断が必要と医師が判断したら、適切な専門医を紹介してくれます。

転びにくい子供にするためにできること

「専門医の診断を仰ぐ」以外の症状では経過観察で様子を見る必要がありますが、ただ経過を見るのではなく、以下のことを意識して行うと、転びにくい子供になりやすいです。

毎日の生活で実行できることばかりなので、小さな子供がいる場合はぜひ実践することをおすすめします。

いろいろな体勢で歩いたり遊んだりさせる

一般的にジャンプは2歳片足立ちは3歳ケンケンは4歳でできるようになる、と言われています。

普段の遊びや運動の中でこれらの要素を取り入れると、バランス力を高め、転びにくくなります。

裸足で歩く

足の裏で地面を蹴ることができないと、転びやすくなります。裸足で歩くと足の指でしっかりと地面を踏みしめることができるため、足の指を使って地面に吸い付くように立つことができるようになります。

坂道やでこぼこ道を歩く

なにもない平面な地面だけを歩くのではなく、坂道やでこぼこ道、芝生などのやわらかい場所などを歩くと、足の裏の感覚がよくなったりバランス感覚が得られたりします。

足に合った靴を履かせる

上記でも触れましたが、足に合った靴を履かせることはとても大切。なぜなら、合わない靴は、浮き指の原因となるからです。

浮き指は立ったり歩いたりするときに、足の指が地面や靴底に接地していない状態のこと。浮き指になってしまうとバランスを崩したときに踏ん張りが効かないため、転びやすくなってしまいます。

子供の靴を選ぶときは、1人ひとりに合った靴を提案する専門家である「シューフィッター」がいる店で、アドバイスをもらいながら子供に合った靴を選ぶといいでしょう。

転んでも痛くなりにくい服を着せる

ここまで何度も触れたように、子供は転びやすいですが、歩く経験をどんどん積むことで上手に歩くことができるようになります。

女の子の場合は、歩きやすいように長いスカートを着せるのは避けましょう。とくに、外遊びをするときはスカートよりも動きやすく、転んでも痛みが少なくてすむズボンを着用することをおすすめします。

まとめ

子供がよく転ぶ原因には、頭が大きく重心が高い、歩き方や筋肉がまだ発達していない、歩く経験が不足しているなどが挙げられます。これらは、年齢が上がり経験を積むと共に解決していくので、あまり心配する必要はありません。

足に合った歩きやすい靴を選んで、いろいろな場所を歩く機会をたくさん与えるなどのサポートを毎日の生活に取り入れると、よりスムーズにしっかりと歩けるようになる可能性が高くなります。

 

ですが、中には神経や脳、骨などの疾患がある場合や発達障害が原因の場合もあるので、サポートを行っても改善しない場合や、おかしいな、と思った場合は、速やかに専門医の診察を受けてください。