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上体起こしができない子ども必見!コツや原因を徹底解説!

上体起こしができない子ども必見!コツや原因を徹底解説!

新年度になり、身体能力や成長を測るための体力テスト。シャトルランや反復横跳びなどたくさんの種目があります。

その中でも、上体起こしは苦手意識がある子どもも多いはずです。上手く力が入らなくて、両手で数えるくらいしかできない、と既にトラウマになってしまっている、なんてことも…

もう、体力テストでまた恥ずかしい思いをしたくはありませんよね。保護者の方も、体力テストを嫌がっている我が子を見て、どうにかしてあげたいと、思うことも当然です。

 

上体起こしができない理由や原因は、明確にあります。その原因や理由を知って、コツを掴むことができたら確実に記録を伸ばすことができるのです。

苦手意識を克服できるように、上体起こしができない原因やコツをご紹介します。

上体起こしのルールや流れ

 体力テストの本番を迎える前に、まずは制定されているルールや流れを文部科学省の資料を基に見ていきましょう。

1. マットの上で仰向けになり、両手を胸の前で組みます

2. 両膝を揃え、補助の生徒に足を押さえてもらいます

3.始まりの合図に合わせ、上体を起こします

という流れになっています。

 

上体を起こして、両肘が足に当たらなかったり背中がマットにつかなかったりしたら回数としてカウントされないので注意が必要です。

 できるだけ記録を伸ばしたいからといって焦ってしまうと、カウントされずに体力だけが無くなってしまうので、最後まで気を抜かずに意識してくださいね。

小学生1年~6年生の記録の平均

 自分の記録だけでなく、周囲の生徒の記録も気になりますよね。

 特に保護者の方は、我が子の記録は「周りと比べてどのくらいなのか」「みんなよりも記録が上であってほしい」と、願うのも当然のことです。

 

実際に、文部科学省が集計した全国平均を見ていきましょう。

学年 男児の平均(回) 女児の平均(回)
1年生(6歳) 11.6 11.3
2年生(7歳) 14.5 14.1
3年生(8歳) 16.7 15.8
4年生(9歳) 18.6 17.6
5年生(10歳) 20.7 19.1
6年生(11歳) 22.6 20.8

2019 文部科学省調査

 

上体起こしは、特別な用具や環境を準備する必要がないので、気軽に測ることができます。

ソファーや布団の上など、やわらかい素材の上で怪我をしないように注意して、やってみてください。平均と比べるだけでも楽しめますよ。

上体起こしのコツやできない原因とは?

 上体起こしは、案外簡単そうに見えますが、背中の筋肉や腹筋など色々な要素が、密接に関係しています。

 苦手だと感じる子どもは、力の入れ方が正しくなかったりコツを知らないまま取り組んだりと、上体起こしが続かない原因が必ず存在するのです。

 

幼児体育に携わっている教育者からの視点で、上体起こしを解説します。

 新記録を更新できるように、しっかりと理解して練習に取り組んでみてください。

①正しい姿勢で上体を起こす

 まず上体起こしをするにあたって、一番重要なポイントは姿勢です。姿勢が歪んでいたり自分では気づけない癖があったりするだけで、上手く力が入らないのです。

 記録を確実に伸ばすために、正しいフォームから知っていきましょう。注意するべきポイントは、大きく分けて2つあります。

 

1つ目は、顔の向きです。速く上体を起こすために力んでしまって、顔が上を向いている子どもがたくさんいます。

 顔が上を向いていると、必要以上の力を使ってしまい、思うように回数が伸びません。起き上がる時には、顎を引いてから力を入れるように意識しましょう。

 コツは、へそを見ながら上体を起こすことです。正しい姿勢を保つことができるようになり、記録も伸びるはずです!

 

2つ目に注意するポイントは、腰と背骨を意識することです。腰が前に反っていたり背骨が伸び切ったりしていると、より負担がかかります。

 反っていることを知らないまま上体起こしを続けると、体を痛めてしまう原因になるのでより注意が必要です。

 腰や背中を丸めた状態を意識して、上体を起こしてみてください。丸めることを意識するだけでも、いつもより力が入りやすくなります。

 

姿勢を保つ2つのポイントを意識して、新記録を目指してみてくださいね。

②力を入れるタイミング

 苦手だと感じている人ほど、ずっと力んだまま上体起こしをしてしまっています。記録を伸ばすためには、力を入れるタイミングも重要です。

上体を起こしてマットに戻る時には、力を抜いて重力に身を任せてみてください。マットについた瞬間に、反動を活かして上体を起こしましょう。

 

低学年の子どもの場合、スーパーボールをイメージするように伝えてみてください。感覚的なイメージを深めると、反動で跳ねるように上体を起こすことができます。

練習をするなかで、遊び感覚で取り入れてみても楽しそうですね。

③呼吸とリズム

上体を起こすとき、力を入れるために呼吸を止めていると、起き上がれない原因になってしまいます。

起き上がるときに息を吐いて、後ろへ倒れるときに息を吸いましょう。この呼吸法を意識しながら、同じリズムを繰り返すだけで、力が入りやすくなります。

何度も練習して体で覚えると、本番でも実力を発揮することできるはずです。忘れることが無いように、継続して練習をしてみてくださいね。

④足をしっかりと押さえてもらう

 上体起こしを補助してもらう保護者や生徒には、足をしっかりと押さえてもらうように伝えましょう。

 押さえる力が緩いと、重心や体幹がブレてしまいます。上手な呼吸やタイミングを掴んでも、力が入らなくなってしまっては努力も水の泡。

 補助者も一体になって足をしっかりと押さえてもらい、太ももの筋肉や股関節に力を入れられる状態で測定に臨みましょう。

 自分自身だけでは、気を付けることができないポイントなので、本番前に一声かけてみてください。

上体起こしの記録を伸ばす練習方法3選

 上体起こしの記録を伸ばすためには、先ほどご紹介したコツも大事ですが、そのコツを踏まえた上で練習することが一番の近道です。

 地味な見た目の上体起こしですが、楽しい練習方法も存在します。その中でも、実際に私立幼稚園で行っている遊びや、体育教室で取り入れられている効果的な練習方法をご紹介します。

 飽きやすい子どもたちだからこそ、練習方法を変えて楽しみながら練習してみてくださいね。

①腹筋を鍛える

 腹筋を鍛えると聞いて誰しもがイメージする練習は、同じく上体起こしですよね。シンプルですが、この練習が一番効果的です。

 もはや筋トレになってしまいますが、様々なバリエーションがあるのをご存知でしょうか。

 一般的な上体起こしを始め、足を伸ばしてVの字になるように上体を起こす方法や、両足を伸ばしながら左右にひねる「ツイストレッグレイズ」と呼ばれる方法などが存在します。

 

他にも、横向きで行う「サイドクランチ」やひねりながら行う「ツイストクランチ」があるので、遊び感覚で色々なバリエーションを楽しんでみてください。

②バランスボール

 子どもが楽しみながら、練習することができるバランスボール。ちょっとした時間や遊びの中でバランスボールに乗ってみてください。

バランスボールは、体幹や全身の筋肉を鍛えることができます。さらに、骨盤や背骨の矯正、正しい姿勢を保つ力など、いいこと尽くしなので年齢が低い子どもにもおすすめの練習方法です。

 

保護者の方も是非ご一緒に、取り組んでみてはいかがでしょうか。

③ゆりかご

 この練習方法は、幼稚園や体操教室でよく取り入れられる体幹遊びです。

 まず、床に両膝を抱えて座りましょう。目線を膝に落とし、そのままゆっくり倒れて素早く起きます。

 ゆりかごのように倒れて起き上がると、体幹や腹筋を鍛えることができるのです。

 ゆりかごをする中で、顎を引いて背中を丸めることを意識すると、上体起こしの動作にも繋がります。

 

楽しくなりすぎて、勢いよく倒れると頭を打ってしまう危険性があるので、保護者の方が近くについてあげましょう。

怪我をしないように、緩やかなゆりかごを意識してみてくださいね。

まとめ

 上体起こしは、単純そうに見えて難しいポイントやコツがたくさんあります。

今はできなくても、原因やコツを理解して練習することができれば、必ず記録を伸ばすことができるのです。

楽しい練習方法を取り入れながら、保護者の方と一緒に腹筋を鍛えてみてくださいね。