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子どもの【自己肯定感】は親の関わり方次第で大きく変わる!

子どもの【自己肯定感】は親の関わり方次第で大きく変わる!

「子どもの自己肯定感」という言葉を耳にする機会が以前に比べて増えていますよね。自己肯定感が高い子どもは勉強やスポーツでも成績が良い!とも言われています。

しかし、「自己肯定感」の高め方について大人でも知らない部分が多いのに、「子どもの自己肯定感」を高める方法なんて分からない!という方も多いのではないでしょうか。

 

ここでは、子どもの自己肯定感を高める方法と親の関わり方について解説していきます。

自己肯定感とは?

我が子には自己肯定感の高い子どもになってほしいと考えたこと、子育てをしている方なら誰でも一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

自分には長所がある・自分は他者から必要とされている・自分自身が好きと思えることなどが「自己肯定感」です。

自己肯定感とは

自己肯定感とは、自分自身の存在や価値、良いことも良くないことも含めて自分自身を受け入れ肯定できる感情です。ありのままの自分を認め、自分は自分のままで良いのだと思える心の状態です。要するに、自分を好きという感情を指し、自己否定とは反対の意味を持ちます。

 

自己肯定感を高めるためには、まず「ありのままの自分を受け入れる」ことが大切です。幼少期は特に、「自分は今の自分のままで良い」と感じる場面が少ないのでなかなか自己肯定感を育てることが難しいのです。だからこそ、自己肯定感を高めるためにも子ども自身が「自分は愛されているな」と感じるような周囲の大人の言葉がけや接し方が大切です。

他国に比べて日本人の自己肯定感は低い

内閣府が発表した「日本と諸外国の若者の意識に関する調査(平成25年度)」の「自分自身に満足している」「自分には長所がある」といった項目において、アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・スウェーデン・韓国と比べて日本は断トツで割合が低いという結果が出ました。

 

自分には長所があるとアメリカの93.1%の若者が感じていることに対して、日本は68.9%でこの7か国の中で最下位という結果でした。アメリカ以外にもドイツやフランス、イギリスの若者は「自分には長所がある」と90%前後が回答し、この4か国の若者の80%以上が「自分自身に満足している」という調査結果に対して、日本は45%と自己肯定感が低いことが分かりました。

自己肯定感が低い子どもの特徴

自己肯定感は、ありのままの自分を受け入れ、自分が好きで自分に満足している感情を指します。

 

しかし成功よりも失敗の数が多かったり、その体験が強く残っている場合に自分を否定的に捉える傾向があります。

感情をコントロールできないことから、情緒不安定になることが多く、自分はもちろん他人もなかなか信頼・信用することが出来ません。また、自信が持てない、諦めやすい、協調性がないといったことが特徴です。

自信が持てなく、褒められても喜ばない

過去の失敗体験やトラウマなどから自分にはどうせ出来ない、自分はダメ人間だから無理に決まっているなどと思い込み、自己肯定感が下がることから自信を持てなくなってしまいます。

出来たことに対して褒められても「こんなの出来て当たり前」「簡単だったから」「他の人もよく出来ていたから大したことない」と、褒められるようなことはしていないと考え、褒められてもあまり喜ばないことも特徴の一つです。

落ち込みやすく自分を責めがち

自己肯定感が低いと、上手くいかないことや怒られると「自分はダメなんだ」と自分のことを責め、落ち込みます。特に、周りと比べて自分が劣っていることに対してネガティブに捉えがちで、気持ちを立て直すのに時間がかかります。

その場を離れたり、一時的に話をしなくなるといった行動を起こすことがあります。                            

チャレンジすることを拒む

スポーツや音楽、勉強といった新しいことへのチャレンジに対して非積極的になりやすく、やる前から「自分には出来ない」と決めつけがちです。

また、周りと比べて出来ない自分が許せない・認めたくないといった感情から、周囲の大人や保護者から「やってみたら」「やってごらん」などと声をかけられても微動だにしない、拒否する子どもも多くいます。

子どもの自己肯定感が低くなってしまう原因

子どもの自己肯定感が低くなる原因は様々です。しかし、そのほとんどが周囲からの言葉や行動によって「自己否定感」が増し、自己肯定感を下げる理由になっているのです。

どういった言葉や言動で子どもの自己肯定感が低下しているかを説明します。

子供を否定するような発言や他の子どもと比較する

「人と自分を比較をする」ということは幸福度が下がるということが国内外の研究でも明らかになっています。しかし、人と競争することで、自分が足りない部分を補うように努力したり、仲間と切磋琢磨して成長できる部分も確かにありますよね。

 

ただ、その反面で「出来ていない」「遅い」「下手」「〇〇くんの方が上手い」などと誰かと比べられて責められることは誰でも辛いですし、自信をなくす原因にもなりますし、大人でも他人と比較されて評価されることはイヤですよね。 

人より劣っていることは周りに言われなくても自分が一番痛感していますし、悔しい思いもあります。だからこそ、責めるのではなくて、この子は何が得意で、以前と比べてどう成長したのかといった部分をしっかりと認めてあげることが大切です。

子どものチャレンジを結果だけで判断する

小学生くらいになると習い事の大会や発表会、コンクールに参加することがありますよね。学校でもテストや成績などで評価されますよね。

この時に、子どもの結果だけを見て「良い・悪い」「上手い・下手」「できる・できない」と判断してしまうと自己肯定感は低下します。

テストで良い点数が取れた時や習い事や体育などで良い順位が取れた時に「100点で良かったね」「1番を取れてすごい」「センスがある」「頭が良いね」といったように結果や能力だけを褒めることは、後々子どもが努力しない原因になる可能性があり、心の成長を阻害します。

 

子どもを褒めるときは、能力や結果よりも、そこに至るまでの過程・努力をして成長したプロセスの方を沢山褒めてあげることが大切です。

特に、子どもが工夫や練習をして出来るようになった部分や子どもが認めてほしいと感じているところを見抜いて褒めてあげることでより自己肯定感は高まります。

子どもの話を聞かず、行動も保護者が決める

子どもが話すときにきちんと聞いてあげないことでも自己肯定感を低下させる原因になります。話を聞いてもらえないということは、自分に興味がない・理解してもらえないという感情を生みます。他にも、「くだらない」「大したことない」などと突き離されることで自分を否定する原因にもなるのです。

 

通常、子どもは成長していくにつれて自分の行動を自分で決めることが増えていきます。それなのに、食べ物やキャラクター、洋服、遊びの好みが年中や年長くらいから徐々に出てきますよね。好きな物や欲しいものを自分で選ぶことが出来るのに、いつまでも親が決めてしまうと自分自身を尊重してもらえないと感じてしまいます。

また、野球をやりたいのに、親の夢を子どもに押し付けるようにサッカーをやらせたり、本人の意思とは関係なく将来のためにと英語や塾などを習わせるなど、保護者の価値観だけで決めてしまうことは自己肯定感を低下させることにも繋がってしまいます。

しつけが厳しすぎる

「世の中は甘くないからこそ努力で乗り越える人になってほしい」という想いを子どもに対して望んでいると、過剰なほどのしつけをしてしまう保護者の方も多くいます。

スポーツや勉強でも年齢に適さないレベルのものを強要したり、言いつけを守らなかった時には無視をするといったことはしつけではなく、虐待とも捉えられてしまうのも無理はありません。

 

子どものためにと考えてやっていても、子どもにとっては唯一の味方である親に厳しくされすぎると「自分は親にとって大切な存在ではない」「生きている価値があるのかな」と感じてしまいます。厳しさの中にも愛情や優しさ、親としての思いやりを持って接することを忘れないようにしましょう。

子どもの自己肯定感を高めるポイント

自己肯定感は親をはじめ、周囲の大人と関わる中で高くなることも低くなることもどちらもあります。日頃から子どもと向き合う中で、子どものありのままを認めていくようにしましょう。

自己肯定感が高い子どもの特徴

自己肯定感が高い子どもには共通点があります。

・好奇心が旺盛で様々なことに興味を持つ。

・どんなことにも積極的に取り組む

・失敗しても気持ちの切り替えが早く、諦めない

・周りのことも考え、自分の気持ちも大切にする

・他人と自分を必要以上に比べない

・人前でも物怖じすることなく、堂々としている

 

子ども自身がありのままの自分を受け入れていると「自分は愛されている」「自分は大切で価値ある存在」といった感情が言動や行動にも現れてきます。

子どもの自己肯定感を高める褒め方と叱り方

子どもを叱る時、ついつい子どもに完璧を求めて正論で叱ってしまうことってありますよね。子どもを叱る際に注意するべき点としては、「人格・能力で叱らない」ことです。正すべきところは「行動」です。その子の行動について叱り、その子の人格や能力はいかなる時でも愛してあげるようにしましょう。

 

子どもが好くない行動を取った時に「だから、あなたはダメなの」「嘘をつくなんてうちの子じゃない!」といった言葉を使っていないでしょうか?

親も人間ですから、限度を超えて子どもが悪いことをした時はつい感情的になって「これはダメ!」「親の言うことはちゃんと聞きなさい!」と正論や正しいと思う常識を子どもに言いがちです。しかし、これでは子どもに上手く伝わらず、反発を招くこともあります。

 

子どもが悪いことをしている時には、「そういう姿を見て、お母さん(お父さん)は悲しくなったよ」と落ち着いてメッセージを届けるようにして伝えたほうが、子どもの心にも響きやすく、理解が得られやすいのです。

叱る際も子どもにイライラした感情をぶつける事が本来の目的ではなく、良くないことを改善してもらうために伝えることが目的ですよね。出来るだけ、子どもの心に響きやすいような伝え方で話してみましょう。

ちなみに、褒めるときは、「〇〇している姿を見れて、嬉しかった」などと具体的に伝え、沢山褒めてあげることで子どもの自己肯定感はさらに高まります。

子どもの自己肯定感を高めるポイント

子どもの良い部分はもちろん、良くない所も含めて全て受け入れてあげれば自己肯定感は高まっていきます。

失敗してしまったり、上手くいかない時でも結果を責めるのではなく、「大丈夫だよ!次また頑張ればいいじゃん!」「頑張ったんだから偉いよ」と前向きな言葉をかけ、出来ないことがあっても「あなたはそのままのあなたでいいんだよ」と伝えてあげましょう。

 

また、悪いことをしたときでも、人格や能力を否定するのではなく「今後は気をつけようね」と寄り添ってあげることも大切です。

子どもの自己肯定感を高めるためには…

子どもの自己肯定感は、周りの大人の関わり方によって大きく変わります。

自己肯定感が高いと、周りの人への思いやりを持つことができたり、自分と他人を比較しすぎず、失敗しても立ち直りが早く、精神的にも安定して自分の可能性を広げることができます。

 

しかし、他の子どもとの比較や否定をされる、話を聞いてもらえないと自己肯定感が低下する原因にもなります。そうなると自分に自信をもてなくなったり、何かに挑戦することを拒否したり、無気力や情緒不安定にもなりがちです。悪いことをした時でも、「行動」に対して叱るようにし、人格や能力は否定しないように心がけましょう。

 

子どもには「得意・不得意」はもちろんですが個人差があります。

出来ないことに対して責めるのではなく、子ども自身の成長や努力、そこに辿りつくまでの過程を褒めてあげることが大切です。信じてくれる人、全てを受け入れてくれる人がそばにいることで子どもは「ありのままの自分で良いんだ」と考え、自己肯定感を高めることに繋がります。