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早生まれの子どもは運動が不利?その理由と克服方法を解説!

早生まれの子どもは運動が不利?その理由と克服方法を解説!

早生まれのお子さんにとって心配なのが月齢差。幼稚園や小学校に進むと、1年近く月齢差ある子どもと「学年」でくくられてしまいます。

月齢が高い子どもと一緒に過ごすため、刺激をたくさん受けて成長のスピードが早まったり、周りから可愛がってもらえたり、嬉しいこともある一方で、同学年の子どもと比較された時の発達の差が心配になってしまうものです。

この記事では、早生まれの子どもが運動面で不利な理由、その克服方法について説明します。

そもそも早生まれってどんな子のこと?

幼稚園や小学校に入る時期になると「早生まれ」という言葉をよく耳にします。早生まれとは、そもそもどんな子どものことを指すのでしょうか。ここでは、早生まれについて紹介します。

1月1日〜4月1日生まれの子のこと

早生まれとは、1月1日から4月1日生まれの子どもを指す言葉です。日本では、4月学年始期制が採用されているため、4月2日から翌年4月1日生まれまでが一学年として括られます。

0歳〜2歳までは年齢と月齢を合わせて成長をみられることが多いですが、幼稚園に入る3歳頃からは学年単位で評価をされるようになります。

特に幼稚園や小学校では差が出やすい

大人になれば、生まれ月による成長の差は全く気にならなくなります。しかし、まだ幼い子どもにとって10〜12ヶ月の月齢差は大きいものです。幼稚園や小学校に入ると同学年として一括りにされしまうため、月齢でみれば標準であっても勉強面や運動面で発達が「遅い」と評価されてしまうのです。

大人に近づくほど差はなくなりますが、月齢差が目立つ幼い頃に受けた心の傷や苦手意識は一生残ります。早生まれの子どもがコンプレックスや苦手意識を抱かないよう、月齢差の出やすい幼稚園や小学校の頃は、周りの大人が心のサポートをして環境を整えてあげましょう。

なぜ運動能力が不利なの?

幼稚園や小学校時代に、運動能力に関して早生まれの子どもが不利とされる理由を紹介します。

身体が小さい

幼稚園や小学校など、幼い頃の月齢差は身長や体格に大きく差が出やすいものです。もちろん個人差はありますが、同じ学年の子どもと比較して月齢が低い早生まれは身体が小さい傾向があります。身体が小さいと、同じ位の能力を持っていたとしても、手足の長さの差でかけっこが遅かったり、ボールを投げる力が弱かったり、運動能力に差が出てしまいます。

同じクラス、学年の子に比べて発達が遅い

幼い子どもは、1ヶ月という短い単位で著しく成長していきます。そのため、早生まれの子どもは月齢でみると標準でも、学年で評価された時には発達が「遅い」と評価されてしまうことが多いです。本来は資質があったとしても、幼い頃はかけっこや体操など、運動面で発達の差が出てしまう可能性があります。

運動に対して苦手意識を持ってしまう子が多い

幼稚園や小学校では団体生活となるため、友だちの運動能力を互いに認識できてしまいます。例えば、かけっこをした時に遅い・早いや、跳び箱をした時にできた・できないなど、運動能力の差は目にみえて現れるものです。

そのため、早生まれの子は運動ができない経験を重ね、苦手意識やコンプレックスを持ってしまうことがあります。特に小学生になると、同じ学年の友だちと比較して運動に対する劣等感やコンプレックスの意識を持ってしまう傾向があります。

運動に対して苦手意識を持ってしまうと、自信がない、運動が嫌いというマイナスな気持力、余計に運動ができなくなってしまうので注意しましょう。

実は早生まれのスポーツ選手は多い!

ここまで、早生まれが運動をする上で不利な理由を解説してきました。

一方で、内村航平さん(体操)、鈴木大地さん(水泳)、三浦知良さん(サッカー)、高橋大輔さん(スケート)など、スポーツ界で活躍をしている早生まれの選手がたくさんいるのも事実です。

早生まれのプロ選手も、幼い頃は評価をされずに苦しむ経験をしています。しかし、頑張り続けることができれば、コツコツと取り組む、周りを気にせず努力する、体格をカバーする技術が、月齢の影響がなくなった頃に評価されるのです。

幼い頃は体格差や発達スピードで運動が不利だったとしても、体格が追いついた時にはコツコツと身につけた技術の差が大きくなります。不利な時期をどう乗り越えるかで、将来良い結果を出す可能性も秘めているのです。

家庭でできる運動への苦手意識を克服する方法!

幼稚園や小学生の頃の体格差や発達スピードに関しては、月齢差のため仕方ないものです。そして、その差は大人に近づくほど自然に追いくため心配の必要はありません。

月齢差が大きい時期に大切なのは、心のサポートです。運動が不利な状況の中で、運動嫌いになってしまったり、苦手意識を持ったりしてしまうと、その後の伸び方に影響します。特に早生まれの子は、他の子どもと比較をしたり、されたりで自信を無くしてしまいがちです。

子どもがのびのびと運動を楽しめるよう、家庭でフォローをしていきましょう。

成功体験を増やす

同じ学年の子どもと比較して、早生まれのお子さんは、幼稚園や学校の運動時間に「できない」を多く経験してしまいます。「できない」経験を何度も重ねてしまうと、誰でも嫌になってしまうものです。

そのため、家庭で運動に対する成功体験を積めるようにしましょう。大切なのは誰かと比較して評価をするのではなく、頑張った結果できるようになったという経験をすることです。

また、家庭ではできたことだけではなく、頑張った過程をたくさん褒めてあげましょう。その経験が、運動に対して前向きに取り組む姿勢に繋がります。

習い事に通わせる

幼稚園や小学校とは違い、学年単位ではなく自分のレベルにあったクラスで運動を経験することができます。その中で、最初はできなかったことができるようになった経験をしたり、評価を受けて次のクラスに進級する経験をしたり、成功体験を積むことができます。

また、好きな運動に特化して取り組むことが「自分は○○ができる!」と自信を持つことができるでしょう。

自宅で練習をする

幼稚園や小学校で行うかけっこや、マット運動、鉄棒などは、家庭でも練習する運動が多くあります。学校で月齢が高い子どもをみて上手になりたいと感じた気持ちを、家庭で伸ばせるように練習にたくさん付き合ってあげましょう。

また、自宅で練習をする時には、練習の過程や、できるようになった動作一つひとつを褒めて、やる気を伸ばせるようにフォローをしましょう。

体力作りをする

体格差、発達スピードから、早生まれの子どもは体力にも差が出てしまうことがあります。体力の差から、運動が不利になってしまうことも。

たくさん歩いたり、公園で走ったり、プールに行ったり、体力を付けられるようにしましょう。体力をつけることは、運動面だけでなく健康面でも効果的です。

まとめ:早生まれでも、運動を好きなれば能力は伸びる!

早生まれの子どもに大切なのは、心のサポートです。他の子どもと比較をするのではなく、その子自身のできることや、できるようになったことを認めてあげましょう。運動に対して苦手、嫌いではなく、好きという感情を持てるように、のびのびと楽しませることが大切です。

早生まれは、高月齢の子どもから多くの刺激を受けられるとプラスに捉えることもできます。その環境を上手に使って、運動に前向きに取り組みましょう。