執筆:まさやコーチ![]()
指導実績1万人以上、理学療法士・作業療法士など200名超が在籍するへやすぽのマネージャーコーチ。
一児の父・理学療法士として急性期病院での臨床経験をもとに、これまで自身では1,000人以上の発達に悩む子どもの運動・姿勢改善をサポート。「不器用さ」の原因を感覚・身体機能の視点から分析し、根本からの改善に取り組んでいる。
授業中に座っていられない我が子。どうしてこんなに落ち着きがないの!?
年に数回の授業参観。家では落ち着きのない我が子。
少し心配して行ってみたら、授業中なのに立ち歩いている…
「保護者面談で先生から落ち着きがない、注意しても変わらないと言われました。」
そのように相談してくれる方が増えています。
集中しなさい!〇〇の時間だよ!と声をかけても変わらない子どものやる気をどうあげれば良いのか迷いますよね。
でも、授業中に座っていられないのは、やる気の問題だけではありません。実は、集中して座っていられるようになるために大切なのは、やる気やモチベーションの根底にある「体の土台」です。
これは、発達を「土台の部分から積み上げていく」という考え方ともつながります。姿勢や集中といった目に見える力は、感覚などの発達の土台の影響を受けます。
この記事を読むと、授業中に座っていられない「本当の原因」と、発達の側面からみた「お家でできる対策」が分かります。最後にお伝えする対策を実施することで、発達の土台が整い、姿勢が良くなり、集中力が続き、さらには運動能力や学習能力にも良い効果が期待できます。
授業中に座っていられないのは『体の発達』が関係しています
じっとできないの感覚・体幹の問題
授業中にじっとできない子。
これには、「やる気がない。集中力がない。正しい姿勢を取れない。注意が色んな方向へ向く。」など色んな要因があります。
そしてこれらすべては別の問題ではありません。全てに共通する一つの根本原因があります。それが、いわゆる「感覚・体幹」の問題です。とくに感覚面は、発達において一番下の土台とも言えます。
「視覚・聴覚・触覚・固有覚・前庭覚」
主にこれらの5つの感覚のいずれかに未熟さがあると、集中力が続かなくなったり、姿勢が悪くなったりします。
そしてこのすべての感覚を整えることを「感覚統合」といいます。感覚統合を促すことで、授業中に落ち着いてじっと座れるようになるんです。
メモ
前庭覚:体の傾きや揺れを察知するセンサー。バランスをとるために必要な感覚。
固有覚:力の入れ具合や関節の動きなどを察知するセンサー。力加減の調整や体を思った通りに動かす際に必要な感覚。
感覚統合とは何か―体が『じっと座る』を覚える仕組み
人は、日々過ごす中で、色んな音が耳に入り(聴覚)、色んなものが目に映り(視覚)、服や椅子に触れ(触覚)、常に重力に負けないようにバランスをとり(前庭覚)、力を入れて(固有覚)、生きています。
感覚統合について理解を深めるために、交通渋滞を例にしてみます。
「感覚=車」だと思ってください。
たくさんの感覚情報がただ何もしなくてもどんどん入ってくるのです。処理するのは脳ですが、一気にあらゆる情報(車)が入ってくると、脳は処理しきれません。すると渋滞を起こします。
渋滞が起きると、耳から入ってくる情報(車)を処理しきれません。すると何度言っても理解できなかったり、そもそも聞こえなかったりします。
この渋滞を防ぐために、感覚情報という車をうまく整理することを感覚統合といいます。
感覚統合についてはこれまでの記事で詳しく解説しています。

体幹が弱いと姿勢が崩れ、集中力も低下します
感覚統合の話をしましたが、感覚統合がうまくできておらず、脳で”交通渋滞”が起こっていた場合、姿勢にも影響します。
そして、姿勢が悪いと「体幹が弱い」とみられます。
この体幹の弱さは、必ずしも筋肉量の問題だけではなく、感覚面の問題もあるんです。
特に固有覚と前庭覚の未熟さがあると、力をうまく入れられません。
背筋を伸ばすにはどこにどうやって力を入れたら良いのか。
じっと座っておくためには、どうすればよいのか。
大人では無意識レベルでできることが難しくなるのです。
つまり、体幹が弱いとは「筋肉量が少ない」だけでなく「うまく使いこなせていない」という状態でもあるんです。
この状態だと、姿勢を保つことに意識が向き、座っているだけで多くのエネルギーを消費するため、結果的に「じっとする・話を聞く・落ち着いて過ごす」などが難しくなります。
感覚統合や体幹と『座れない』の関係について、理学療法士・作業療法士がより詳しくセミナーで解説しています。原因を正しく知ることが、対応の第一歩です。
授業中に落ち着きやすい子どもの特徴
こんなサインがあったら、感覚の発達に課題がある
もっとお子さんがじっと座っていられない原因を理解するために、チェックリストをご用意しました。以下に当てはまる場合は、感覚面に根本原因が隠れている可能性が高いです。
・椅子をガタガタ揺らす
・足をブラブラさせる
・すぐ立ち歩く
・鉛筆をかじるなど
・頬杖をつく
・足を椅子の上にあげる
・お尻がどんどん前に滑る
など
これらに当てはまる場合は、じっとできない原因が感覚面にあることが多いので、これからお伝えする対策を行ってみてください。
発達グレーゾーンの子どもに多く見られる傾向がある
ADHDや発達グレーゾーンの子どもは感覚過敏で情報がどんどん入りやすく渋滞を起こしやすかったり、反対に感覚に鈍くて、情報が入ってきても理解できない状態になりやすいです。その結果として「じっと座っていられない」が強く出やすい傾向があります。診断の有無に関わらず、発達の土台へのアプローチが有効です。
家でできること_発達の土台を育てる3つのアプローチ
固有覚を刺激する運動を日常に取り入れましょう
固有覚を刺激し、育ててあげることで力を自然と入れられるようになります。鉄棒ぶら下がり・雑巾がけ・クッションの上でバランスをとるなど日常でも簡単にできることから始めてみてください。
へやすぽおすすめの運動遊びはこちら。
この投稿をInstagramで見る
なぜこの運動が効くのか:
転がってくるボールに合わせて、体でトンネルを作ります。
手足で体を支えるためには、中心にある体幹の力が最も重要になります。ゲーム性を加えることで、子どものモチベーションが上がり、どんどん挑戦してくれます。
体幹を使う遊びが『座る力』の土台になります
バランスボールやトランポリン、四つん這い遊びなど、楽しみながら体幹を使える遊びもおすすめです。
環境を整えるように学校の先生に伝えてみよう
お子さんの発達の土台を整えるだけでなく、座っていられるような環境を整えてあげることも大切です。
・椅子の高さは足が床につく程度になっているか
・掲示物が多くて、注意が外に向きすぎないか
・隣の教室の声が良く聞こえてくる配置になっていないか
など
学校でもできることは多くあります。
例えば
椅子が床につかない場合は足を置く台を置く。
掲示物が多くて視線がそれやすい場合は掲示物を減らすか、ひらひらと揺れないように四角をすべてしっかり止める。
隣の教室の声が聞こえてくる場合は、廊下側の席を外す。
などです。
ただ「叱る」だけでなく、「体と環境を整える」ことが大切です。
家庭での対応だけでは、じっとできるようにならない場合も。
こんな状態が続くようなら、専門家への相談を検討してください
外遊びが減り、ゲームやスマホが普及した今、発達遅れは社会問題になりつつあります。何歳からでも成長を促すことは可能です。しかし、大きくなればなるほど、発達の土台が未熟なことにより失敗を体験したり、苦手が浮き彫りとなったりして自信を失ってしまう可能性があります。
特に、
・パパママが忙しくて、週に2回以上一緒に体を動かして遊んであげられない。
・運動嫌いがすでにあり、いくら誘っても体を動かそうとしない
・運動・書字・人間関係など、あらゆる場面で苦手さがみられている
などの場合は、発達の専門家である理学療法士や作業療法士などに相談することをおすすめします。
じっとできない子へ、発達支援の専門家ができること
理学療法士・作業療法士による感覚統合アプローチは、体の発達の土台を整えることに直結します。つまり、苦手や困りの根本の原因に対してのアプローチです。これまでは、こうした支援は病院や放課後等デイサービスなどでしか受けられないものでした。しかし、へやすぽではそうした困りがあるのに、支援を受けられない現場を知り、オンラインにて理学療法士や作業療法士などの専門家とマンツーマンでお話しし、遊びながら支援を進めています。
まとめ
・「授業中に座れない」のはやる気の問題ではなく、感覚統合が背景にある可能性がある。
・家でできる運動・環境調整を続けることが発達の土台づくりにつながる
・特におすすめなのが、固有覚を刺激する遊び。
“叱るだけでは変わらない理由”に気づけた方は、次は“どう整えるか”です。
落ち着きのなさが気になるなら、専門家に一度相談を
「じっとできない」「授業中に立ち歩く」「座っていられない」
これらはすべて体幹と感覚の発達と関係しています。へやすぽアシストでは、理学療法士・作業療法士が自宅2畳からお子さまの体幹と感覚統合をマンツーマンでサポートします。
発達が気になるお子さまの保護者向けに無料オンラインセミナーを開催しています。まずはお気軽にご参加ください。

