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運動のコツ

子どもが体育嫌いを克服する方法とは?

子どもが体育嫌いを克服する方法とは?

子どもが体育を嫌いになる理由を知っていますか?

「体育」の授業って昔から好き嫌いが大きく分かれる傾向がありますよね。たしかに、子どもがスポーツを楽しむ・親しむには絶好のチャンスですし、健康に生活していくうえでも必要な身体能力や身体活動を身につけられる大切な科目でもあります。皆さんは、体育の授業が好きでしたか?それとも苦手でしたか?

近年では、昔に比べて「体育嫌い」の子供が増えています。保護者の方の中には、すでに子どもの体育嫌いで頭を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

もともと、身体を動かしたり運動することが苦手!という意見もありますが、意外にも授業となると「やらされている」と感じて楽しめないというケースもあるのです。また、授業ですから、「出来る・出来ない」が明確に分かれ、それが成績に反映するというのもモチベーションが低下したり、プレッシャーに感じて嫌になってしまうこともあるのではないでしょうか?

また、運動やスポーツには、「出来なかったことが練習をすることで出来るようになる喜び」が学べる良さがありますよね。しかし、日本における体育の授業では「競争」させることや「強制的にやらされる」ことが多く、それが原因で体育嫌いになってしまう子どもも多いのです。

 

子どもが体育を嫌いになる主な理由とは?

様々な理由や原因、過去のトラウマなどから子どもが体育が苦手になったり、その延長で嫌いになるということが実際には多くあります。理由は言わないけど「体育はイヤ!」という子どもも中にはいますよね。嫌な理由が分かれば解決にも繋がりますが、子どもも自分からは言いたくないことは沢山あります。そんな時に体育が嫌いになる子どもの理由を少しでも知っていることで、次のアプローチも変わってくるのではないでしょうか?

体育を嫌いになる主な理由として以下のようなものが考えられます。

・足が遅いとからかわれる

・その動きやスポーツの運動経験が少なく、出来ない

・みんなのように上手く出来ない

・自分の得意な運動は好きだが、苦手なスポーツは気分が憂鬱になる

・運動が得意ではないので、そんなに楽しむことが出来ない

・もともと身体を動かしたり運動をすることがあまり好きではない

・走っているときにお腹が痛くなってしまったことから、運動が苦手になった

・どのようにすれば出来るようになるのかコツが分からない

・ルールを知らない

・周りの友達についていけないのが辛い

 

といった原因が挙げられます。

他にも、クラスでのチームプレーやチームワークが求められることが多いのも体育の授業の特徴です。実際に自分が迷惑をかけてしまった経験や、「自分のせい」でお友達やチームメイトの足を引っ張ってしまうのではないか?という不安がプレッシャーとなり、苦手意識が芽生えてしまうことは往々にしてあるのです。特に小学校低学年では早生まれが不利になりやすいですよね。身体の大きさや成長の差というのがそのまま運動能力に反映されてしまうことが多くあります。

コツやルールが分からないことが「苦手」に繋がる

体育の授業で行う動きや運動に対して説明はあっても、出来るようになる「コツ」やその競技そのものの「ルール」を分かりやすく説明してもらえることってあまりないのではないでしょうか。

 運動が得意な子は逐一教えなくても、見様見真似で出来てしまうかもしれません。

しかし、基本的には初見の動きや運動を「手本を交えて説明」をされても出来ないという子どもがいるのは当然です。その時の自分の運動能力でその動きが出来るかは別問題であるので、特に運動が苦手な子どもには出来るようになる「コツ」やその運動に応じた「身体の使い方」を教えてあげる必要があるのです。

体育の授業でも「練習をしなさい」と言われるから、子どもたちも練習はしますが、嫌いな練習、ましてやコツが分からない練習をするのは楽しくもないし、上達もしないし、嫌になるのも無理はありません。また、球技などでは複雑なルールを理解していないと思わぬところで不利になってしまったり、チームに迷惑をかけてしまうこともあります。

ルールやコツを分からない状態で行っていることが、最終的に「苦手」にも繋がりやすくなってしまいます。

体育を嫌いになることで生じるデメリットとは?

運動やスポーツに対して苦手意識が生まれる

体育が嫌いという子どもは、そもそも運動を苦手としていることが多くあります。そうなると、必然的に身体を動かす頻度は徐々に減少していきます。身体を動かす機会が減ることで、体育の時間の動きは鈍くなり、より「苦手」を痛感することにも繋がります。また、近年では小学校高学年や中学生になるにつれて体育嫌いの子どもは増加しています。

 

スポーツ庁「平成29年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」によると、運動やスポーツに対して「嫌い・やや嫌い」と答える割合が男子に比べて女子の方が高いということが分かりました。また、成長していくにつれて「スポーツを嫌い」になる傾向があります。

「嫌い」と感じる原因としては、「怖い」「恥ずかしい」「何をやってもダメ」が考えられています。確かに、ボールが飛んできて痛い思いをするのではないか?という不安が怖いという感情を招いていたり、身体を上手く動かすことが出来ないことに対してコンプレックスをなっていることもあります。何をやってもダメというのは、過去の失敗やトラウマから自信を喪失し、自分に対して引け目を感じて「やりたくない」「嫌だ」となっているわけです

例えば、運動会などでは低学年では「玉入れ・つなひき・ダンス」といったみんなが楽しめる運動が割と多いのですが、学年が上がるにつれて、「リレー・騎馬戦・長縄」といった個々の能力は競技性が占める割合が高くなります。そうなるとスポーツや運動が得意ではない子どもにとっては、苦手意識や劣等感を抱く原因にもなりやすいのです。

周りの子どもと比べられてトラウマになりやすい

体育の授業では、成績をつけるという観点からも順位や勝ち負けといった「競争」が多くあります。自分の得意な競技や出来る種目であれば、楽しむことは出来ても、苦手なものを成績として評価されてしまうというのは大人であっても楽しいことではありませんよね。

体育や運動は、周りのお友達や兄弟と比較されやすいこともあり、「〇〇くんは出来た」「〇〇ちゃんの方が速い」といった言葉に自尊心が傷つけられ、トラウマを抱くキッカケになっているのも事実です。

 

子どもが「体育嫌い!」と言ったときの対処法

今すぐ始められる!子どもの「体育嫌い」を親子で乗り越える方法

まずは、体育を楽しめずにいる子どもの「心に寄り添ってあげる」ことが大切です。

何が嫌なのか、どうして嫌なのか、子どもが話せるように問いかけてみるのもいいですね。原因や理由が分かったら、対処しやすいことに変わりはありませんが、聞き出すのに一筋縄ではいかないことも多いのではないでしょうか?そのような時は、周りと比べずとにかく楽しむことを優先できるように声をかけたり、前向きなサポートをしてあげてください。

子どもの成長には個人差があり、得意なことや不得意なこともそれぞれ違います。現状として苦手なことや出来ないことであっても、練習をしていくことで、次第に出来るようになっていきます。例えば、球技は得意だけど、マット運動は苦手!という子もいれば、水泳は得意だけど球技は苦手!という子もいます。人それぞれ得意と苦手があるのは当然です。余談ですが、水泳選手でオリンピックに出ている選手でも陸上運動や球技が苦手というケースは非常はに多いのです。

 

また、子どもは「成功体験」が増えていくことで、自信が深まっていきます。最初は簡単なことで良いので、「出来た!」の数を増やしてあげることも大切です。

導入段階として、子どもがやりたい!というスポーツでも良いですし、これならできるかな?という運動の練習を行い、「出来た!」と子ども自身が実感できるように成功体験に繋がるようなサポートもオススメです。

 

子ども自身が運動を「苦手!出来ない!」と決めつけないことが大切

まずは、子どもに「誰でも最初は初心者。最初から完璧に出来る人はいない!練習を重ねていけば、誰でも上達する」ということを伝えてみましょう。自尊心が強かったり、真面目な子どもほど最初からパーフェクトに出来なかったり、周りと比べて自分が少しでも劣っていると感じた途端に自信を喪失していしまうことがよくあります。

ほんの少しの上達であっても、頑張って出来るようになっていることは沢山褒めるようにしましょう。大きな変化(結果)は目に見えて分かるため、誰でも褒めやすいのですが、その通過点でも、少しずつでも良くなっていること・コツコツ継続して頑張っていることといった「過程」を認めてあげることで、子どもは「努力」を褒めてもらえたと、更に練習に打ち込むことが多いのです。技術の習得はもちろんですが、努力することを経験する過程で「最後まであきらめない」精神力も身につける事が出来るのです。

子どもは褒められることで自信もつき、嬉しくなり、さらに頑張ろうと前向きに取り組みます。ですから、最初から「苦手!出来ない!」と決めつけてしまうのではなく、「練習を重ねていけば必ず出来るようになる」ということを教えてあげること、体験・経験させてあげることが非常に重要なのです。自分が今まで出来なかったことが「出来た」時に、子どもが一番最初に伝えたいのは、お母さん・お父さんです。親子で一緒にその喜びを分かち合うことも忘れずに!

 

子どもの体育嫌いはどうすれば克服できる?

 

親子で一緒に身体を動かす!おすすめトレーニング方を紹介

体育で嫌いな種目によってもトレーニングの方法は異なります。

球技では「サッカー」と「バスケットボール」を例に挙げて説明していきます。

サッカーでは基本的にボールを足で扱う練習から始めていきます。

ボールを足のどこの部分で蹴るかも大事になるので、「足の内側・外側・つま先・裏側」といった様々な面を左右の足で蹴りながらボールを触っていくことから始めていきましょう。慣れてきたら、左右の足で交互にボールを蹴りながらドリブルで前に進む練習をしていきます。ボールを少しずつ上手に扱えるようになってきたら、5m~10mくらいの距離をとってパスを出し合いましょう。相手が取れる強さのパスを10回~30回行っていき、徐々に進みながらパスを出せるようにしていきましょう。最後はシュート練習です。力いっぱい蹴る練習をしていきましょう。

「バスケットボール」では、ドリブルの練習から行います。ボールに対して手のひらでおさえるようにして地面につきます。右手でも左手でも行います。ドリブルが出来るようになったら、パスの練習に移行しましょう。ワンバウンドパスで両手を前方に出すようにしてパスを出します。ワンバウンドが出来るようになったら、ノーバウンドパスにもチャレンジしてみましょう。

バスケットゴールがある公園は少ないですよね。バスケットゴールがない時のシュートの練習はジャンプをして上にボールを軽く投げるイメージで行うようにしましょう。

走るのが苦手という子供には、まずは親子で「鬼ごっこ」をすることがオススメです。

走る練習としては、肘を90度に曲げ手を少し軽く握りましょう。その手が顔の前に来るように前後に大きく動かします。足は、地面をしっかりと強く蹴るように動かしていきましょう。この動きをまずは身体に覚えさせながら練習をしていきます。

 

習い事やスクールに通って苦手を克服!

積極的に身体を動かしていくことで、様々な運動やスポーツが出来るようになることも多くあります。まずは、苦手としているスポーツのスクールに通って、克服するというのも良いですね。スクールに入る前に、一回体験などを実施しているスポーツクラブも多いので是非問い合わせてみてはいかがでしょうか?体操教室やスイミングスクールでは、夏休みや冬休みといった長期休みに会員ではなくても参加できる短期教室を開催している所も多くあります。

他にも、最近では、パーソナルトレーニングやパーソナルコーチも増えてきているので、周りの目が気になったり、劣等感を感じてしまうという時には個別指導を受けてみるのも良いのではないでしょうか。

 

自宅で出来るコーディネーショントレーニングをやってみよう!

運動能力を向上させるためには、「コーディネーション能力」を高めることが必須です。

コーディネーション能力とは、目や耳から入ってきた情報を脳で素早く処理し、脳から筋肉に指令が伝えられ、全身の神経回路に信号が送られる運動神経のことを言います。

コーディネーショントレーニングは「リズム能力・バランス能力・変換能力・反応能力・連結能力・定位能力・識別能力」といった7つの能力を養うことが出来ます。スポーツや運動をする際にこれらの能力が複雑に組み合わさることで、よりスムーズな動きに繋がるのです。コーディネーション能力は、スポーツはもちろん、遊びやトレーニングを通して身につける事が可能です。

 

まとめ

最近では、体育嫌いの子どもが増えています。その背景には、体育の授業で競争や勝敗、優劣を付けられることが多く、運動が苦手な子供にとって「出来ないことが可視化されやすい」ことが挙げられます。子どもが体育を嫌いになる主な理由として、「みんなのように上手くできない」「もともと運動が得意ではない」「その運動経験が少なく、出来ない」「どのようにすれば出来るようになるのか分からない」といったことがあります。

体育の授業が嫌になってしまうと、運動やスポーツに対しても積極的に取り組む機会は少なくなります。そうなると、体育の授業での動きは鈍くなり、より苦手意識が芽生える事にも繋がるのです。体育の授業内では、勝敗を決めることが多いので出来ないことが露わになり、周りの子どもや兄弟と比べられて劣等感を感じるケースも少なくありません。

「体育が嫌い!」と子どもが言ったら、まずは子どもの心に寄り添って原因や理由を一緒に考えてみましょう。どのスポーツでも最初から完璧に出来ることはありません。練習を重ねていけば出来るようになる!ということを伝え、苦手な種目の習い事に行ってみたり、親子で一緒に練習をしてみるのも良いですね。また、コーディネーショントレーニングを行うことでコーディネーション能力の向上にも繋がり、運動能力がアップします。

子どもは、今まで出来なかったことが出来るようになったときに自信が深まり、前向きに取り組むようになります。どんなに小さな進歩でも良いので上達したことを沢山褒めてあげるようにしましょう。

体育や運動は完璧に出来たり、上手にできないといけないというものはありません。確かに、成績にも影響する部分は多少ありますが、まずは身体を動かすことを楽しめるようになることが大切です。いつでもポジティブな言葉で励まされると、子どももやる気になりますし、練習を重ねて「出来るようになった」「上達した」という自信や前向きな気持ちで、運動に取り組めるようになると次第に身体も動かしやすくなります。ぜひ、親子で一緒に身体を動かしてみてはいかがでしょうか♪