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子どもの体力をつける方法とは?体力アップのメリットや注意点を徹底解説!

子どもの体力をつける方法とは?体力アップのメリットや注意点を徹底解説!

最近「子どもの体力がない」「すぐ疲れてしまう子が多い」などとよく言われていますよね。

ゲームや動画サイトなど遊び方が多様化しているのはいいことですが、やはり子どもの体力がどんどん低下しないかと心配している方も多いのではないでしょうか。

しかし「子どもの体力を少しでもつけたい」と思っていても、「体力をつけるためにどうしたらいいのか」「そもそも体力をつけるメリットは何か」と疑問に思いますよね。

今回は、子どもの体力をつけることができるように、体力アップのメリットを解説するとともに、子どもの体力をつける方法をご紹介いたします。

 

子どもの体力とは?

体力とは、よりよく生きていくために必要な力です。体力は子どもの発達や成長をサポートしてくれます。

文部科学省「子どもの体力向上のための総合的な方策について(答申)」では、体力について以下のように説明しています。

「体力は,人間の発達・成長を支え,人として創造的な活動をするために必要不可欠なものである。したがって,体力は,人が知性を磨き,知力を働かせて活動をしていく源である。また,体力は,生活をする上での気力の源でもあり,体力・知力・気力が一体となって,人としての活動が行われていく。

つまり、体力は運動するために必要な力だけではありません。子どもがより健康的に生活したり、自分の気持ちをコントロールしたりなど、運動面・健康面・精神面を支える役割があるといえます。

 

子どもの体力が低下した原因とは?

子どもの体力は年々減少していると言われています。

例えば、13歳女子は,昭和60年と平成12年とを比較すると、持久走(1,000m)のタイムが25秒以上遅くなっています。(注1)

では、どうして子どもの体力が低下したのでしょうか。

一番の原因は生活習慣の変化。

 

昔は、生活の中で体を動かす機会が多くあったため、子どもは自然と体力をつけることができました。

けれども今は移動手段が徒歩から車になったり、放課後の遊びがゲーム中心になったりと、暮らしの様々なものが便利になった代わりに、体を動かす経験が減ってしまっています。

このように、今の子どもの体力低下の原因は、個人の能力ではなく、環境や生活習慣が大きく影響しています。

そのため、今の子どもが体力をつけるためには、意図的に体を動かす機会を設けたり、環境を整えたりすることが必要です。

子どもの体力をつける3大メリット

子どもが体力をつけると、具体的にどんないいことがあるのでしょうか。

それでは、子どもの体力をつける3大メリットをご紹介します。

大人が何のために体力をつけるのかを理解しておくことで、子どもに運動をさせたい時に、声をかけやすくなりますよね。

 

①運動能力が向上する

体力をつけることで、運動能力が向上します。

十分に体力があると、長時間身体を動かすことや複雑な動きに挑戦することができるようになります。

子どもの体力をつけることで、タイミングよく動いたり、力の加減をコントロールしたりするなどの運動を調整する能力を養うことができます。

子どもの時に運動の基盤を整えることで、自ら運動するという効果も期待できます。

さらにバランス感覚もアップすることで、転倒防止など、自分で危険を回避することもできるようになります。

体力をつけることで、運動好きな子どもになるだでなく、自分の身を自分で守る力も育つのは、大きなメリットですよね。

 

②健康で丈夫な身体になる

体力向上は健康で丈夫な身体づくりにも繋がります。

子どもの様子を見ていると、何をするにも、どこへ歩くにも「疲れた」「もう歩けない」とすぐに訴える子が増えていると感じる方も多いのではないでしょうか。

この現状も体を支える筋力や持久力が低下しているといえます。

日頃から体を動かして体力をつけることで、持久力や瞬発力だけではなく、体の心肺機能も鍛えられます。

その結果、自律神経が整ったり、免疫力を高まったりと、健康で丈夫な身体で生活することができます。

③メンタルが安定する

体力をつけることで、子どものメンタルも安定します。

なぜなら、運動し体力をつけることは、意欲的に取り組む態度の育成に繋がるからです。また、のびのび運動することで、心のバランスも整う効果があります。 

文部科学省の『幼児期運動指針ガイドブック』でも「積極的に体を動かす幼児は、「やる気」「我慢強さ」「友達関係が良好」「社交的」な ど前向きな性格傾向にあります。」と書かれています。

子どもの時から身体を動かして体力をつけることを積み重ねていく中で、「動くって楽しい」「自分にもできた」などポジティブな感情や成功体験がたくさん生まれます。

これらの経験が、子どもの前向きな姿勢や粘り強さ、自己肯定感に繋がります。

子どもの体力アップ方法5選

子どもの体力をつけさせたいが、「生活の中でできることはあるのか」「どんなことをすればいいのか」と疑問に思う方も多いですよね。

そんなお悩みを少しでも解決できるように、家庭でできる「子どもの体力アップ方法」を5つに厳選しました。

親子でできるものもあるので、ぜひ一緒に楽しんでみてください。

 

①しっかり歩く!自分の荷物は自分で持つ

子どものためを思って、歩く距離を短くしたり、荷物を持ってあげたりすることもありますよね。

けれども、見方を変えると、子どもの運動経験や成長の機会を奪っていると考えることもできます。

体調に問題がなければ、できるだけ子どもの足で歩いたり、階段を登ったりする機会を増やすようにしましょう。

また自分の荷物も自分で持つように声をかけましょう。

物を持つことは腕の筋力アップにも繋がるので、自分の荷物を自分で持つことを習慣化させることも大切です。

最初は大丈夫かと不安になるかもしれません。けれども最後まで自力で歩くことや持つことができたことにいっぱい褒めてあげることで、子どもの達成感や成長に大きく繋がります。

②正しい姿勢をキープする

実は、正しい姿勢をキープすることも体力アップに繋がります。

姿勢がすぐにグシャッと潰れてしまう場合は、姿勢維持をする体力が足りていない可能性があります。

背骨を伸ばして座ったり、立ったりすることは、腹筋や背筋、足の筋肉を鍛えることができます。

最初は食事、勉強やゲームの時間などに、1分や5分など短い時間から始め、徐々に時間を伸ばしていくことがオススメです。

 

③体を動かす外遊びを増やす

積極的に体を動かす外遊びをしましょう。

歩く・走る・跳ぶなどの運動でも体力は確実に向上します。

けれども、子どもにとって大切なことは、楽しみながら体を動かすということです。「動くって楽しい」という前向きな気持ちが、運動量増加・体力アップに繋がります。

鬼ごっこ、ボール遊び、縄跳びなど、大好きな家族や友達と一緒に体を動かすことは、子どもの体力向上だけではなく、心の豊かさを育てることができます。

10分間でもいいので、全力で一緒に身体を動かす遊ぶことがオススメです。

ぜひ親子で楽しくいい汗をかいてみてください。

 

④家の中で一緒に身体を動かす

家の中で一緒に身体を動かすことも、体力アップや運動習慣に繋がります。

例えば、ストレッチ。

身体をしっかり伸ばしたり、筋肉をほぐしたりすることで、身体をより動かしやすくなります。

また、自分の身体の状態を知ることは、運動や自分への興味関心にも繋がります。

前屈や開脚の時に腰部を押してサポートするなど、一緒に身体をほぐすことで心もほぐれてきます。

 

また、じゃれあいの運動もオススメです。

・大人の腕や身体に、子どもがぶら下がる。

・向き合って両手を繋ぎ、逆上がりをする。

・大人が両足を伸ばし、それをまたぐように子どもがジャンプする。

 (伸ばしたまま、もしくは、開いたり閉じたりしても楽しいです。)

一見楽しくじゃれあっているようですが、これも立派な運動や体力アップです。

親子のスキンシップにもなり、運動が苦手なお子さんも楽しめるのでオススメです。

 

⑤運動系の習い事をする

運動をメインとする習い事を始めることもオススメです。

習い事を通して、新しい動きや複雑な動きを経験することができます。

子ども自身も、新しい環境で自分の成長を実感できるので、体力アップだけでなく自己理解や自己肯定感にも繋がります。

生活の中で気をつけるポイントは?

子どもに体力をつけるためには、運動だけでなく、生活習慣を整えることも大切です。

体力アップに繋がる、重要なポイントを3つまとめました。

・早寝早起き(寝る直前に画面を見ないようにする)

・朝ごはんを食べる

・バランスの取れた食事をする

健康的な生活は、丈夫な身体を作るだけではなく、体力アップにも欠かせません。

 

一方で、やりすぎにも注意しましょう。

子どもが自らやるにはいいのですが、そうではない場合は、運動のやる気が阻害される可能性がでできます。

自ら運動する子どもを育てるためには、子どもがいかに「楽しい」「嬉しい」と思うかが重要です。

ぜひ、子どもが自ら運動を楽しめるように、いいところをたくさん伝えてあげてください。

 

まとめ

今回は子どもの体力をつけることをテーマにお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?

体力をつけることは、子どもの運動j面、健康面、精神面のより良い発達に繋がります。

今はなかなか運動をする機会がない方も、今回紹介したような生活の中でできる体力アップをぜひ実践してみてください。

一緒に楽しみながら、親子ともに体力アップを目指してみてはいかがでしょうか。

それでは、最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

参考文献

(注1)参照データ:「子どもの体力・運動能力の推移」図1−1 持久走の年次推移(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/021001a.htm)

 

・文部科学省『子どもの体力向上のための総合的な方策について(答申)』(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/021001a.htm

・文部科学省『幼児期運動指針ガイドブック』

https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/undousisin/1319772.htm