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運動のコツ

マラソンでもっと速く走るには? 4つのコツと年齢別練習方法

マラソンでもっと速く走るには? 4つのコツと年齢別練習方法

寒くなってきて、体育の授業では”持久走”を取り入れる学校が増えてくる時期です。マラソン大会が開催される地域もあります。保護者の中には、お子さんの体力をもっと高めたい、持久力をつけさせたいと考える方も多いですよね。

休日に「マラソンの練習をしよう」とお子さんを誘っても、気が乗らなかったり嫌がったりするお子さんは多いものです。それには理由があります。

 それは、子どもにとって「マラソンはゴールが見えにくいから」です。マラソンは長距離なため、スタート地点からゴール地点が見えないことが多いです。そのため、見通しが持ちにくかったり、やる気が出にくかったりします。

 子どもは、見えているゴールに向かって走ることが得意です。運動会の徒競走ではゴールテープが見えていますし、鬼ごっこなら逃げる相手を見ながら追いかけます。ゴールにぐんぐん近づいている実感を持ちながら走ることができ、スタートからゴールまでの見通しが持てます。

 まずは、「走ることが楽しい」と感じられることを目指しましょう。お子さんの年齢や好みに合わせて、走る遊び・運動に取り組んでいきます。走ることが楽しいと感じられるお子さんは、遊びの中でどんどん力をつけていきます。まずは、走ることを楽しむのが第一歩です。

 

走る際に意識すべき4つのポイント

 速く走るには、楽しむことと同じくらい、技術面でのポイントをおさえることが大切です。お子さんが「もっと速く走りたい!どうしたらいいの?」と感じているときに、サポートできるようにしておきましょう。

 ・腕の振り方・・・腕や肩の力を抜いて、軽くリズミカルに振りましょう。足のリズムに合わせるように意識すると良いです。かけっこのように力強く大きく振るとすぐに疲れてしまい、長時間続けることができません。

 ・呼吸の仕方・・・意識して、しっかりと息を吸いましょう。一生懸命になるあまり、呼吸がおろそかになってしまうことがあります。大きく息を吐いて、しっかりと吸うことを意識しましょう。

 ・姿勢・・・背筋伸ばして走りましょう。姿勢が悪いと、一歩が小さくなったり、呼吸がしにくくなったりします。「地面じゃなくて遠くを見て走ろう」と声をかけると、小さいお子さんも実践しやすいです。

 ・重心(足のつき方)・・・前に勢いよく踏み出したり後ろに強く蹴ったりしすぎない

 

 とはいっても、技術面のポイントをお子さんに伝えるのはなかなか難しいですよね。お子さんも親が相手だと素直に受け入れられないこともあります。そんなときには、こんなサービスがおススメです。

 自宅でバランスよく楽しく運動できる、オンラインこども運動教室「へやすぽ」です。週に1回お家で30分、楽しく体を動かすうちに基礎体力や運動感覚を育みます。オンラインなので、習い事は送り迎えが大変、子どもが周囲と比較して萎縮してしまう、人見知りだとなかなか馴染むのが大変といったお子さん・親御さんにもぴったりです。

 

年齢に合った練習のコツ

 マラソンで速く走れるようになるには、練習が必要です。しかし、マラソンに慣れない小学1年生の子にいきなり「5キロ走ってみよう」と言っても、体力的に難しいですし、子どもも意欲的になれません。そもそも距離感が具体的にイメージできないことが考えられます。

 そこで、お子さんに合わせた練習方法を考えましょう。お子さんの心・体・脳の発達に合わせたトレーニングをしていくことが大切です。ここでは、心や体の発達に沿って、小学校低学年・中学年・高学年に分けて、練習のコツをご紹介します。

 

低学年(小学校1,2年生)

 低学年のお子さんは、とにかく遊びの中で体を動かすことが大切です。”練習”という形式にしてしまうと、技能の向上が明確な目的になり、お子さんからしたら”楽しむ”要素が少なくなる可能性があります。そのため、あくまでも”遊び”としながら、走ったり跳んだりする運動遊びをおすすめします。

 ・走る遊び(おにごっこ、かけっこ、リレーなど)

  走ることが、メインの遊びです。かけっこ、リレーはお子さんの走力や走り方がよく見て取れます。走り方の指導ポイントを見つけるには有効です。ただ、運動に苦手意識をもっているお子さんからすると、「また負けてしまうのではないか」と感じることもあります。鬼ごっこは、走るだけではなく、周りの人の動きを見たり、鬼の動きを見て自分の動きを調整したりする要素があります。注意力や俊敏さ、バランスをとるなどの調整力にもつながります。また、色鬼、手つなぎ鬼、増やし鬼、バナナ鬼など、バリエーションが豊かで、お子さんの好みに合わせて工夫できるのも魅力です。

 ・跳んだり走ったりすることが必要な遊び(縄跳び、サッカー、ドッジボールなど)

 遊びの中で、跳ぶことや走ることが含まれる遊びです。縄跳びは、跳ぶ動きで足の筋力や心肺機能が高められます。また、跳ぶことと縄を回すこと、この2つの動きを同時に行うことが、運動神経につながっていきます。サッカーやドッジボールなどの球技も、走ることが必要な遊びです。友だちと楽しみながら体を動かすことができ、意欲的に遊べます。

 

中学年(小学校3,4年生)

 それまでわいわい遊ぶことが好きだったお子さんも、中学年くらいになると勝敗にこだわるようになることが多いです。それは、何かと比較しながら自分の力を感じることができるようになるからです。あの子より速くなりたい、先週よりたくさんできた、パパと対決したい、という思考になるのは、そういう発達段階だからなのです。

何かと競いながら走る(友達と、兄弟と、親と、時間と、自転車となど)

 そんな中学年のお子さんにおすすめなのは、何かと競いながら走ることです。友達と、兄弟と、親と…など相手を変えて競争してみましょう。「絶対勝つぞ!」という気持ちが大きいほど、体も前に進みます。走力が明らかに違う場合には、スタート位置を変えてハンデをつけたり、”お兄ちゃんは3秒後にスタート”など時間差をつけたりして工夫しましょう。また、タイマーが”0”になるまでにゴールするという時間との対決、自転車との対決なども楽しいです。

有酸素運動で心肺機能を高める(水泳、ダンスなど)

 この時期は、体もぐんぐん成長していきます。走ることだけでなく、他の方法で心肺機能を高める運動も効果的です。水泳やダンスなど、長時間動き続けるような有酸素運動を取り入れ、心肺機能を高めましょう。

 

高学年(小学校5,6年生)

 高学年になると、自分の走力を客観的に捉えることができるようになってきます。周りの人と比べるのではなく、自分の記録を伸ばすことで達成感を得られるように練習を工夫していきましょう。

自分の成長を実感する

 まずは今の自分の力を確かめられるように、5分間走から初めてみましょう。5分間でどれだけの距離を走れるか、ゴールした後の疲れ具合や息の上がり具合はどんな感じか、確かめます。1週間程度、他のトレーニングや運動遊びも繰り返してから、もう一度5分間走にチャレンジしてみてください。走れる距離が伸びていたり、息苦しさが軽減したりしていると、お子さんは「もっと走れそう!もうちょっとやってみようかな」という気持ちになるはずです。自分の成長や達成感を感じることが、次回への意欲につながります。5分間は難しいというお子さんは3分間でも構いません。お子さんが「もっとできそう!やってみたい!」という気持ちになれるような時間を設定しましょう。

トレーニングメニューをお子さんと一緒に考える

 自分の成長を実感できるようになったら、お子さんが自分で目標を立てるようにします。そして、記録をとり、成果が見えるようにしましょう。走る時間・距離・場所など、トレーニングメニューもお子さんと相談して決めていくと良いです。いつも大人が設定したメニューでは、だんだんと”やらされている感”が出てしまいがちです。自分で考えた目標に対して、自分なりの工夫をしながら走り、自分で振り返るというサイクルができれば、もう立派なアスリートです。お子さんが「もっとこんな風に走れるようになりたい」と申し出たときには、大人がポイントやコツを伝えられるようにしたいですね。

 

子どもの気持ちを第一に

 ”走るのが楽しい”と感じる子は、走る遊びや運動に積極的に取り組みます。すると、いろいろな友達と関わる中で、”もっと速く走れるようになりたい”という思いが強くなります。その気持ちがあるからこそ、、コツなどの技術的な指導を素直に受け入れられるようになります。

 親は、「速く走れるようになって楽しんでほしい」「もっと速く走れた活躍の場が広がるだろう」という思いから、いきなり技術面の指導をしてしまいがちです。しかし、子どもにとっては楽しみながら力をつけていくことが大切です。

 また、マラソンを楽しむ大人の姿を、子どもに積極的に見せることも効果的です。親が楽しんでいる姿を見て、子どもは自然と「自分もやってみたい」と感じます。ぜひ、お子さんと一緒に大人も楽しんでみましょう。